[> 8


「―…ん」

オレが目を覚ましたのは、夕方だった。

「恋次の時間か…」

オレは起き上がって目をこする。

「誰の時間だって?」

「Σうを!?いたのか!?」

一人だと思ってた部屋に、恋次がいた。

「なんだよ恋次!オレの部屋で!」

「オメーの部屋じゃねえよココは!!
覚えてねーのか!?お前倒れたんだよ!!」

「まじか!?

ってかココどこ?オレどんくらい寝てた?」

「………。
…ここは六番隊舎だ。綜合救護詰所から移送されたんだ。
お前が寝てたのはだいたい五時間くらいだから…今は六時か」

「はぁぁああ〜…よかった」

「なにが"よかった"だ!心配掛けさせやがって!」

「いやあ、ごめんごめん。
あ、オレ明日現世まで出掛けるから!」

「ああ!?現世!?
おまっ総隊長に許可取ったのかよ!?」

「え…、許可いるの?」

「ぅおい!いるに決まってんだろ!」

「まじかー…じゃ、許可取ってくる!」

オレがベッドから降りて立とうとすると、
恋次に止められた。当り前か。

「だいじょーぶ!もう平気だから!」

胸を張って言うと、恋次は渋々ながらだけど放してくれた。
聞き分けの言い恋次くんには仕事を与えよう!

「よし恋次!後の事は頼んだ!
四番隊の人に礼言っといてくれよ!じゃっ!」

オレは鷹楼丸を持って隊舎の窓から出た。

「え、ちょ、待てって…ってもう行っちまったし…

ホントに大丈夫かよ…」



*****


一番隊舎に向かってると、鷹楼丸が口を開いた。

【咲矢、一応報告しておく。
お前が女だという事を、治療した者に言ったからな。貞操の為だ】

「なに!?…まあしょうがないか…
誰だ?オレの治療してくれたの」

【知らんが…とても頼りなさそうな奴だが…なかなかの腕前だったぞ】

「…花太郎か」

そんな特徴のある四番隊士は他にいまい。


…着いたみたいだな。

「…卯月咲矢です。山じ…山本総隊長はおられますでしょーか?」

「入れ」

「失礼しまーす」

重い門を開けると、山じぃがいつもの椅子に座っていた。
…総隊長ってのはヒマなのか…?

「何事だ」

「あー、明日、現世に行ってきてもいいっすか?」

「何故?」

「えー、会いたい人がいるから…?
その人と明日会いたいんです」

「明日でなければならないのか?」

「はい」

「………

…よかろう。じゃが、限定霊印を打っていけ」

え、まじですか。
まじでそんな体験させてくれるんですか。
メッチャ嬉しいんですけど!!

…あれ?

「総隊長、あれって隊章を模してますよね…?
無所属のオレはどうすれば…?」

「ふむ…希望隊章はあるかの?」

ぇえ!?チョイスしていいの!?だったら…

「水仙の花…十番隊章で!!!」







>>Para ser continuado

( 45/83 )
[] [次]
[戻る]
[しおりを挟む]



- ナノ -