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「大丈夫か咲矢」
「ハッ…ハァッ…!
ああ…大丈夫だ…続けるぞ…!」
今日で卍解の修行を始めて三日目くらい。
でも未だにあまり進歩が無い。
急がなきゃ…!!
「─休憩だ、咲矢。
小休憩こそとっているものの、
まともな休息をこの三日間とってないではないか。
食事も握り飯しか食べていない…これじゃあ出る力も出ない」
「イヤだ!止めねえぞ、まだ!」
オレは震える身体を叱咤して再び構えた。
「──……」
「なっ!?」
鷹楼丸は黙って刀の状態に戻ってしまった。
…意地でも休めってか。
「はぁ…っ」
張りつめていた気が緩んだのか、一気に眠気と疲労感がやって来た。
そのままバタッと倒れ込み、睡魔に身を委ねた。
*****
「─…ん」
オレが目を覚ました時も、眠る前と何も変わらなかった。
「鷹楼丸、オレはどんくらい寝てた?」
刀に話しかける。
【丸々一日だ】
え゛っ!?
「まじかよ!?どーりで背中が痛い訳だ…」
【そのぐらい、疲れていたと言うことだ】
…そうだな、ちょっと焦りすぎてたのかもな…
「…風呂入る!!」
眠気と疲労感が取れたら、今度は今の自分の状態がよくわかった。
血と汗と土埃。かなり臭い。
死覇装もそれなりに開(ハダ)けてる。
オレは勉強部屋の隅にある露天(?)風呂に入った。
【…今誰かいたら確実に女だとバレるぞ】
斬魄刀の状態で鷹楼丸がしゃべった。
…厳密に言や、直接頭に語りかけられてるんだがな。
「だな。
…ん?鷹楼丸はオレの事気付いてた…?」
【無論だ。我が主だからな。
あんな首の細い男など見たことがない】
あ〜、なるほどね。
「…って、鷹楼丸って首フェチ?」
【
断じて違う!!】
………………。
ま、そーゆー事にしといてやるよ。
─あと、六日…
卍解、出来るのかな…
まだまだ、不安要素が
てんこ盛りだ。
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