[> 5


「大丈夫か咲矢」

「ハッ…ハァッ…!
ああ…大丈夫だ…続けるぞ…!」

今日で卍解の修行を始めて三日目くらい。
でも未だにあまり進歩が無い。
急がなきゃ…!!

「─休憩だ、咲矢。
小休憩こそとっているものの、
まともな休息をこの三日間とってないではないか。
食事も握り飯しか食べていない…これじゃあ出る力も出ない」

「イヤだ!止めねえぞ、まだ!」

オレは震える身体を叱咤して再び構えた。

「──……」

「なっ!?」

鷹楼丸は黙って刀の状態に戻ってしまった。
…意地でも休めってか。

「はぁ…っ」

張りつめていた気が緩んだのか、一気に眠気と疲労感がやって来た。
そのままバタッと倒れ込み、睡魔に身を委ねた。




*****



「─…ん」

オレが目を覚ました時も、眠る前と何も変わらなかった。

「鷹楼丸、オレはどんくらい寝てた?」

刀に話しかける。

【丸々一日だ】

え゛っ!?

「まじかよ!?どーりで背中が痛い訳だ…」

【そのぐらい、疲れていたと言うことだ】

…そうだな、ちょっと焦りすぎてたのかもな…

「…風呂入る!!」

眠気と疲労感が取れたら、今度は今の自分の状態がよくわかった。
血と汗と土埃。かなり臭い。
死覇装もそれなりに開(ハダ)けてる。

オレは勉強部屋の隅にある露天(?)風呂に入った。

【…今誰かいたら確実に女だとバレるぞ】

斬魄刀の状態で鷹楼丸がしゃべった。
…厳密に言や、直接頭に語りかけられてるんだがな。

「だな。
…ん?鷹楼丸はオレの事気付いてた…?」

【無論だ。我が主だからな。
あんな首の細い男など見たことがない】

あ〜、なるほどね。

「…って、鷹楼丸って首フェチ?」

断じて違う!!

………………。
ま、そーゆー事にしといてやるよ。





─あと、六日…
卍解、出来るのかな…










まだまだ、不安要素が
てんこ盛りだ。









( 42/83 )
[] []
[戻る]
[しおりを挟む]



- ナノ -