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「して、話とは?」

丸いちゃぶ台が置いてある部屋へ通されたオレは、
並んで座る浦原さんと夜一さんと対面する位置に座った。

「まず言っておくが、
コレは至って真面目な話だし、
オレはフザケてなんかいないからな」

「「…?」」

「四楓院夜一…
普段は黒猫の姿に擬態させているが、
中身は四楓院家22代目にして初の女当主。
元・隠密機動総司令官、
及び隠密機動第一分隊『刑軍』総括軍団長…

浦原喜助…
先代護廷十三隊隊長、
技術開発局創設者にして初代局長…

二人は幼馴染。」

「「!!」」

「オレは"全て"を知っている…

黒崎一護の事、朽木ルキアの事、
今現世で起きている事起きる事、
もちろん尸魂界の事も。

そして、
この先の顛末(テンマツ)も…」

「……」

「―信じてもらえるだろうか…?」

オレはまっすぐに二人を見つめた。

「なぁ喜助よ。
こんなにまっすぐな目をした奴は
滅多にいないと思うが…お主はどうじゃ」

「奇遇っスね。アタシも同じっス」

「!! ―…じゃあ…!!」

「ああ。
人間目を見れば大抵の事は分かるものじゃ。
お主のような目は久々に見た。
何故か、信じてみたくなった。
ついさっき出会ったばかりなのに、じゃ」

「―――……
ありがとう。夜一さん。
ありがとう。浦原さん。


…泣いてもいいですか。」

「「え。」」

「なんかすっげ嬉しくて…
オレにとってココは新天地だから…
心細くて…信じてもらえなかったら
どうしようとか…思ったり…」

咲矢は俯いて言った。

「咲矢よ
個性の一、忘れたのか?」

夜一は静かに言った。

「……ははっ!
忘れてねぇぜ!不躾!!」

さすが夜一さん!
いつもの調子が戻ってきた!

「あ、まだ言ってない事が一つ。

たぶんオレ死神だから!」

「ぶっ…咲矢サン、"たぶん"って…。
アタシも、咲矢サンの個性、分かったような気がします」

浦原は扇子で口元をおさえて言った。

「いやあ、まだ死神化はしたことねぇんだ。
だから、出来るなら、
勉強部屋を一日貸してほしい」

「本当に、なんでも知っておるな」

夜一はにこやかに言った。




-勉強部屋-


「…死神化って、どうやればいいんだ…?」

鬼道撃つみたくやっぱ"イメージ"か…?
死神化は…
魂を体から抜く"イメージ"、かな…?


パコン!
「ぉお!?抜けた!!」

浦原さんから勉強部屋を借りたオレは一人、
作られた青空の下に死覇装を着て立っていた。

死神化成功!!
斬魂刀もしっかり帯刀されてるv
名前、知りてえな…まさか浅打だったりして…?

「咲矢、"たぶん"は
"本当"に変わったようじゃな」

「オミゴトでした♪」

お!夜一さん達だ!

「見てたのか!」

「まぁ、の。

…やはり護廷隊には属していないのか?」

「ああ。
ほらこの通り、死覇装に隊章が付いてねぇだろ?

で…勝手で悪いんだけど、
始解習得の修行したいから上行っててもらえるか…?
修行してるとこは見られたくねぇんだ」

見られてると小ッ恥ずかしいからな…。

「そっスね、わかりました。
では最後に一つだけ、
確認の質問をさせてください…」

浦原が改まった。

「?」








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