「好きって、何なんですかねえ」
「…知らないよ何で俺に聞くの」
「氷村さんってプレイボーイなイメージなんで」
「それ死語だぞ死語っ」
「まあ死語とかはどうでもいいんですけど、好きとか愛とか恋とかって違いがわかんないんですよ」
「愛はまごころ恋はしたごころとか言うけどね」
「でも好意であることに違いがあるわけでは無いでしょう？誰かが"コイツのガキを産みてえなあと思ったらそれが好きってことじゃねーの"って言ってたんですがそれだけじゃ括れないと思うんです」
「まあこいつとなら一生一緒にいても後悔しないって思えるやつじゃないの？」
「でも恋は盲目とも言いますし」
「うーん、まあそれはしょうがないんじゃない？汚い部分を見ればイヤになる、惚れた腫れたはいつかは薄れる。恋の始まりなんてほとんどヒトの生殖本能だ」
「恋ってのは不純なものなんですか」
「大体そーなんじゃないの？恋が愛にランクアップすれば話は別だけどね」
「恋＜愛ですか？」
「辞書を引いてみれば、まあ、愛は恋より尊く純粋だよ」
「好き、は？」
「うーん…相手に気持ちが惹きつけられること？愛は感情好きはココロの動きかな」
「好きは純粋ですか」
「うーん難しいなー、ていうかなんでさっきからこんな質問してんの？」
「私が氷村さんのことを好きだからです」
「……は？」
「氷村さんのことを見ると胸が苦しくなるんです…ってキザキさんに相談したら『それ氷村が好きってことじゃねえの』って言われたので」
「えっマジで？全然気が付かなかった」
「恋か愛かはわかりませんけど…ただ、こういう風に時間を共有出来ることはとても嬉しいです」
「そっか」

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