俺には愛が紡げない。あの蝿のように素直に欲求をぶつけることも、蜥蜴のように快感を求めることも、豚みたいな犬のように誘うことも、魚のように感情を語ることも、何もできない。俺はぶすぶすぐずぐず汚い黒い醜い感情を腹に押し込め、精一杯の優しさを纏って君に接するのだ。

「アクタベさん、どうかしましたか?」
「イヤ、何でもない」
「…?」

喋らずとも、君にこの感情が伝わればいいのに。