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- ナノ -
「何故はかせは死なないんですか?」
「…普通に死ぬが?66号とは違うからな」
「でも死んだと思っても気が付いたらいつに私の隣で優雅にお茶を飲んでいるではないですか」
「死んだのは君の接していた私であって今の私ではない私だからだよ」
「?」
「クローンさ」
「クローンですか」
「クローンだよ」
「つまりはかせは普通に死んでいるけれど代わりが今いるということですか」
「そうだ」
「ふーん…あ、そうだ、ヘンに回りくどい…さっきのような言い方はやめてください、混乱してしまいます」
「すまないね」
「ところで死んだはかせは痛くないんですか」
「痛い…んじゃないか、と思うよ」
「感覚の共有はしてないんですね」
「ああ」
「ふーん…なーんだ」
「何だとは何だ」
「死ぬ時の感覚というものを教えて貰おうと思ったのに」
「死んでみればいいじゃないか」
「私は死んだらそれでおしまいだから嫌です」
「そうか」
「あっ」
「…どうした」
「はかせ、はかせに死んでもらって教えて貰えばいいんだ」
「さっき感覚は共有してないと言ったところだろうが」
「あれ?そうでしたっけ?」
「そうだ」
「うむむ、まあいいや。とりあえずしんでよジーナスはかせ」
「おいやめーーーー」


「…あれ?」
「どうかしたか?」
「はかせが死んだような気がしたのに」
「そうだな」
「またお茶飲んでる」
「そうだな」
「んん??ところではかせ、何書いてるんですか?カルテですか?」
「君の記録だよ」
「ふーん」
「(記憶がめちゃくちゃだな…数秒前の出来事も覚えておらず攻撃的…アレとアレの投薬のし過ぎか)」
「ねえはかせ」
「なんだ?」

「何故はかせは死なないんですか?」