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「#幼馴染」のBL小説を読む
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突然、彼女に押し倒された。それがあまりにも唐突だったせいでよく状況が理解できなかったから、押し倒されたという表現は少し間違っているかもしれない。ただ漠然と、こいつが何かに怯えていることだけは感じ取っていた。彼女の身体は小刻みに震えていて、今にも泣きそうな顔をしている。普通こんなシチュエーションならばドキドキして理性と本能の戦いだとかが繰り広げられるだろう。しかしそんな顔をしているこいつが欲情なんかの前にただただ心配になる。だって俺の、最愛の人なのだから。
「ねえ、ちゅう、して」
「…はっ!?」
「ち…ちゅー…」
弱々しい力で俺の肩を押さえつける手がぶるぶる震えている。少し力を入れただけで跳ね除けてしまえるような、そんな男女間の力の差とかそういうことではないこれは、おそらくこいつが自分からそうしているのだろう。睫毛に縁取られた瞳が不安げに揺れる姿にやけにどきっとした。
「ちょっ、と、待て!急になんでそんな、」