「………は、」
「お帰りなさい糸郎さん」
「どうしたんだその腕!折ったのか!?」
「やけど…に、近い傷です。すぐ治ります」
「何があった!?」
「…言いたくありません」
「言え。命令だぞ」
「う…お、怒りませんか」
「いいから言え!」
「……横着して防護服を着ずに生命戦維を抱えて運搬しました」
「馬鹿なのか!?」
「やっぱり怒った…」
「当たり前だろう!君はどうしていつもそう自分を大事にしないんだ!」
「極制服製造のほうが優先度が高いからです」
「君は本ッ当に馬鹿なんだな……!!!ならばこっちにも考えがある」
「え」


「…そんな見張らなくても無茶しないですから」
「信用できない」
「部下を信用してくださいよ!」
「いいや駄目だ。その荷物もこっちに寄越すんだ」
「ちょっ、糸郎さん!?私ミシン糸一個しか持つもの無いんですけど!」
「さっさと仕事に取り掛かるぞ」
「糸郎さんてば!〜〜っっ待ってください!」

「…伊織はアイツにあそこまでべったりだったか?」
「さ〜あ?何にせよ他人の恋愛事情には首突っ込まないほうがいいんじゃない?」
「恋愛事情だとッ!?裁縫部部長ともあろうものが不純異性交友とはけしからん!!!」
「……蟇くんたら本当に冗談通じないんだから」