逆トリ?(微妙〜に単行本未収録っぽい白石)


お皿にこれでもかってくらい盛りに盛られたカレーが気持ちいいくらいに消費されていく。自分の作ったものをこういうふうにむしゃむしゃ食べて貰えるとなんだか嬉しいような幸せなような気持ちになったけれど、私の目の前の男性は他人の私ですらとても心配になるくらい痩せ細っていたので、「急にこんなに食べて大丈夫なのかな」という考えに嬉しさはどこかへいってしまった。

「ええと、それで、貴方はなんで私の家の前に倒れていたんでしょうか」
「なーんも覚えてない!人を探して駆け回ってたんだけどさあ、あんまりにも腹が減ってて気絶しちまったみたいで」
「ひ、人を探すにしてもちゃんとご飯は食べましょうよ」
「おう!それにしてもライスカレーなんかいつぶりだろうな〜うめえなあ〜」

あ、笑顔がかわいい…なんて思わずキュンとする。あなたは誰なんですか、お名前は、どこからきたんですか、いろいろ聞きたいことはたくさんあったけれど、ご飯を口いっぱいに頬張って食べるその姿を見ていたらなんだかどうでもよくなってしまった。

「おかわり!」
「(お米食い尽くされそう…)」