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少年達が氷上を必死に駆け回り命を燃やす姿に思わず鼻がつんとする。私の青春が確かに今も変わらずそこにあった。底冷えするような空気の冷たさも、氷を削る音も、リンク際に佇む彼のその姿も、何もかもが変わらない。
でも、本当にすべてが過去と一緒なのだろうか。目に見えないどこかが食い違っているのではないだろうか。昔、彼が言った言葉は今でも有効だろうか、反故にはされていないだろうか。
不安と期待が入り混じって思わず歪む口元を隠すように、無理矢理笑顔を貼り付けて、彼の元へと歩み寄った。

「お久しぶりです、二瓶先生」
「久しぶりだな、いつ戻って来てたんだ?」
「三日前くらいですかね…すぐここに来るつもりだったんですけど、ちょっとごたごたしてたもので」
「そうか」
「…今年の勇払はどうですか?」
「面白いのが居る」
「面白いの?二瓶先生がそんな風に言うなんてよっぽどなんですね」
「…嫉妬か?」
「はっ!?」
「つまらなそうな顔をしてたんでな」
「………そういうとこホンット変わってないですよね」

不敵な笑みを浮かべた二瓶先生はちらりと私を一瞥してすぐにリンクへと視線を戻した。相手にされてるんだかされてないんだか。二瓶先生の視線をどうやったら奪えるのか、学生時代からずっと頭を悩ませてきたけれど未だにいい案は思い浮かんでいない。
ただ一つだけ…本当に馬鹿みたいな力技なら思い浮かんだ。だから、ここへ来た。

「二瓶先生、約束覚えてますか?」
「…どの約束だ」
「私と結婚してくださいってやつです」

ブフッ、という吹き出すような声が何処からか聞こえて来た気がするけれど、今はそんなこと気にしていられない。こっちへ視線を向けてくれない二瓶先生をどうにかしなければ、この約束は果たされないのだから。
ひとつ深呼吸をして、ジャージの襟をひっつかんで全力で自分の方へと引き寄せる。突飛なその行動に二瓶先生もびっくりしたのか、さほど抵抗なく二瓶先生の顔をこちらへと向けることができた。
ここからが本番だ、馬鹿みたいな力技で、私はこの勝負に勝つのだ。



文章がしっちゃかめっちゃかで纏まらない+力尽きた