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- ナノ -
俺の趣味は料理だ。思いついた食材を行き当たりばったり調理していくのが好きで、その趣味が功を奏し料理人として生計を立てている。最近手に入る食材や調味料がマンネリ化してきたので、今日俺は小樽へと面白いものはないかとぶらり散歩に来た。ただ単にチーズケーキが食いたかっただけでもある。
それにしても今日はやけに冷え込んでいる気がする。もう5月だというのに吹きすさぶ風は肌に突き刺さるように冷たく、がちがちと歯が震え始めてきた。それなりに服は寒くないものを着ていたはずだったのだけれど、最近暖かいからと油断していたのが悪かったのだろうか。かなり寒い。
あまりの寒さに我慢できなくなりその場にしゃがみ込むと、俺の側頭部に何かがぶち当たりそのまま意識を失ってしまった。


「ウッ…いってえ…!」
「あぁ目が覚めたか、すまないことをしたな」
「……あ?アイヌ?え?コスプレ?ていうかここはどこですか!?」
「お前がしゃがみこんでた所に投げた板が当たってしまってな…ここはアイヌコタンの私のチセだ」
「おっそいつ起きたのか!さっきはすまんかった」
「アッいや俺が不用心にしゃがみこんでたのも悪いんで…」
「詫びといっちゃー何だが飯でも食ってけよ」
「確か羆の肉があったな」
「………羆?」
「でも昨日は鍋だったし別のもののほうがいいんじゃないか?」
「熊の肉は臭みを消したほうがいいからなあ」
「……あの〜…」
「ん?」
「羆、俺に調理させて貰えませんか…?」


ゴールデンカムイはトリップものばっか考えている気がする