「モーブくん！」

バチッ！

「うわ、急に掴みかかろうとしないでください…どうしたんですか？」
「えっと…霊幻さんがモブくん呼んでたよ…」
「わかりました。ありがとうございます」
「(…超能力で止められた……)」


「うーん…どうやったらモブくんの頭を撫でられるんだ…？」
「…何道端で変態じみたこと呟いてるんですかアンタ」
「あれ律くん今日は下校早いね！」

サッ

「ええ、生徒会の仕事が無かったので。あと僕にまで襲い掛からないでください変態ですか」
「へっ変態じゃないよ！？」
「…へえ」
「何なのその疑いの眼差しは！」
「別に何でもないですよ」
「(滑らかに避けられたうえあらぬ疑いを…)」
「あれ？律今日は早いんだね」
「兄さん」
「モブくん！」

バチッ！

「だから掴みかからないでください…」
「(また超能力で止められるとは…)」
「兄さん、今日のご飯はカレーだって」
「本当？じゃあすぐ帰ろう律」
「うん。それじゃさようなら、変態さん」
「変態じゃないってば！あーもうさようなら！」
「…結局俺はスルーかよ」
「あー霊幻さんいたんですか」
「ずっといたよモブの横に！」
「霊幻さんはどうでもいい存在だから気が付きませんでした」
「オォイ！！そんな口たたいてたら時給減らすぞ！」
「今も充分低いじゃないですか…」
「……それは言うな」

わしわし

「はぁ…(霊幻さんはこんなに簡単に撫でられるというのに)」
「…何やってんだお前は」
「霊幻さんを撫でています」
「お、おぉ…」
「(私がなでなでしたいのはこんな胡散臭いダメな大人ではなく影山兄弟のような可愛げのある子供だっ…！)」
「(なんだこいつ…何で俺の頭撫でながら憂いげな顔してんだよ…なんなんだこれ…)」
「あれどうして顔真っ赤にしてんです霊幻さん」
「ううううううるっせぇ！」

影山兄弟をなでなでしたいのにかわされ続ける