好きすぎておかしくなりそう


「夜美」

「ん」


折角の休日で二人きりになれたと言うのに、夜美は綺麗にカバーされた本を食い入るように見つめている。
最初は和仁もあまりそれに触れなかったのだが、かなりの期間お預けを食らっていたため痺れを切らした。


「……私といるのに本なんか読んで、何読んでるんですか?」

「あ!な、何でもないですっ返してください!」


ひょいっと夜美からその本を取り上げ、和仁は必死に本を取り返そうとする夜美に微笑む。夜美を優しく押さえ付け、まじまじと本を見つめる和仁。そんな和仁の目に信じられない文字が飛び込んできた。


「………恋人が悦ぶsexの仕方…?」

「わーっ!!」


夜美は顔を真っ赤にして本を和仁からひったくれば、自分のベッドの上においてあるクッションに顔を埋める。
暫し呆気に取られていた和仁だったが、普通の女性よりも女らしく可愛い反応をする夜美に思わず頬が緩んだ。


「夜美」

「うう…」

「そんな所にいないでこちらへ来なさい」

「……恥ずかしい、よぉ…」


夜美はチラッと和仁を盗み見みると、恥ずかしくなったのかまたクッションに顔を埋めた。絞り出した言葉はあまりにも幼稚で小さかった。
そんな夜美を見て耐えられなくなったのか、和仁は何も言わずにやや乱暴にベッドに押し倒す。


「あっか、和仁」

「どうしてあんな本を読んでいたんですか?あなたらしくもない…」

「な、那優から借りてて…ッそれに和仁が喜ぶことが書いてあるからって言われて…それで…!」

「……私が喜ぶ?例えば?」

「っ…そ、それは…その……ッ!」


茹で蛸のように真っ赤に染まった夜美の頬に、和仁は優しく口付けた。それが段々と下に降りていけばいつの間にか夜美の着ていた服ははだけ、キメ細かな肌が外気に触れる。
そこに赤い華を咲かせていけば、夜美は小さく喘ぎ声を漏らす。それが堪らなくて、和仁は夜美の反応楽しむかのように行為を進めていった。


「ふ、うっ…ん…!」

「夜美…私が喜ぶこと、言ってみてください」

「っ…無理だよぉ…!」

「なら、このまま一時間程度遊んであげてもいいんですよ…?」

「ん、あっ…やだ…ッ」


夜美の腰が切なそうに揺れる。しかし厭らしく誘っているようにしか見えない夜美のそれにも和仁は折れなかった。
今までお預けを食らっていた和仁なりの、細やかな意地悪だ。元々S気質の和仁は、更に夜美を攻め立てた。


「夜美、本にはなんて書いてあったんですか?」

「ひぅ…ッん…言えな…!」


本の内容に関しては頑なに口を閉じる夜美に、和仁は少し溜息を吐いた。そんな和仁の溜息を聞き、ぽろぽろと涙を流し始める夜美に、和仁の加虐欲は増していく。
夜美の体に手を這わせれば、艶やかな体はびくびくと跳ねた。耳元で囁いてやれば、甲高い声で鳴く夜美に和仁は生唾を飲む。


「……夜美、言ってみてください。言わなきゃずっとこのままですよ…」

「は、ふぁあん…ッゆう、よぉ…言うからっ…早く……!」


愛欲に濡れた夜美の瞳に吸い込まれそうになる。今すぐにでも中に入れてしまいたい衝動を抑えて、和仁は夜美を追い詰めた。


「何と書いてあったのです?」

「んっ…『たまには、自分から誘ってみる』っとか…ッ」

「…他には?」

「っ……『シてる時に、絶対に嘘吐かない』…っもうやだ…!和仁のバカ!」


羞恥から、夜美は顔が見えないようそっぽを向き固く瞼を閉じた。悔しいのか今だ涙で濡れた唇を噛んだ。
その行為そのものが、寧ろ夜美と言う存在そのものが和仁を煽る。夜美の羞恥心を取り払うため、和仁は最後の切り札を持ち出した。


「そうですか……なら今日はその"参考書"通りにやってみてください。巧く出来たら優しく抱いてあげますよ」

「んっ…はぁん…っ!」

「出来なかったら目隠しをして縛り上げて、滅茶苦茶に犯してあげましょう。どちらが良いですか?」


和仁がそう耳元で囁くと、夜美は一瞬目を見開き和仁を見つめた。暫しの沈黙が部屋に満ちる。その静寂を壊したのは、喉を鳴らし顔を一気に真っ赤にさせた夜美だった。


「っ……!」

「ああ、でも夜美は激しいのが好きですからね。逆にしましょうか、巧く出来たら滅茶苦茶に犯してあげます」

「…かず、ひと…」

「何ですか」

「あ、えっと………ッ……」


蚊の鳴くような声でぼそぼそと呟いた夜美に、和仁の口許は弧を描いた。
ペロッと耳を舐めてやれば、苦しそうに眉を寄せて濡れた唇から甘い吐息が漏れる。


「聞こえませんよ、もっとはっきり言ってください」

「っ……め、滅茶苦茶に…犯して、くださ…ッ…」

「…夜美はやはり淫乱ですね。ならお望み通りに犯して差し上げます」

「や、ああっ…ふぁ…ッ!」


普段の夜美からは考えられないような扇情的な言葉に、和仁はまた微笑んだ。
夜美に優しく口付ければ、望み通りに気絶するまで滅茶苦茶に夜美を抱いた和仁だった。


「ひぁっふぁああ……!」

「いつから、こんなに淫乱になったんですか…っ」

「あっん…和仁の、せいだよぉ……っ」

「…それもそうですね…」

「ひゃぅう…あっあんっあ…!」


今日も二人は幸せです。



嘘を吐かない子は
溺愛される

(こういうプレイもたまには推奨します)

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藤波 和仁×暁 夜美
和仁微鬼畜、甘々言葉責め編。
どうやら瀧は言葉責めが好きなようだ←





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