シリアスな題名のくせに下ネタですがそこのあなたは大丈夫ですか


「もし明日世界が終わるとしたら何をしたいですか」

「今忙しいから後にしろ」

「話進まないじゃないか。そもそも何、僕という存在がありながら雑誌のグラビアアイドルの袋綴じをあろうことかピンセットで開封している、その君のどこが忙しいっていうんだい?」

「頼まれた、アイツに。文句ならアイツに言え」


君が指差した先には君がいつも仲良くしている彼がいた。彼は彼で明らかにエロ本だろう分厚い雑誌の袋綴じを慎重に開封している。暇人め、君を巻き込むなんて自己中にも程があるよ。


「おい、終わったぞ」

「おお!?早いなお前、才能あるよ」

「そんな才能いらん」

「マジ助かったぜ、また頼むわ」

「もうごめんだ」


君はいつだってクールだね、惚れ惚れするよ。そのストイックさがまた性欲をそそるからね、全くけしからん。


「お前の性欲って何だ、常人の二倍はあるよ。普通では考えられねぇ」

「君を愛してるからね」

「絶倫め」

「そんなに誉めないで、照れる」

「あああウザい、くねくねすんな!」


もう照れ屋な君はいつも素敵だよ。それはそうと、さっきの質問の答えをまだ聞いていなかっから君にまた問い掛けてみた。


「明日世界が終わるとしたら?」

「そう!」

「…お前はどうなんだよ」

「僕?何、知りたいの?そうなの?」

「わ、悪いかよ」


ああ、少し顔を赤らめたツンデレな君はまさに僕の天使!
頭でそんなことを考えながらもまた別の思考回路でもし明日世界が終わるとしたら、を考えた。
ああ、君のことを考える回路と普段の生活で使う回路は全くの別物なんだ。これぞまさに愛の力。人並み外れた僕もまた素敵。


「そんなことはどうでもいい」


君にバッサリ斬られてしまったけど僕はマゾだからね、相手は君限定で。今みたいなこと逆効果に過ぎないから、あんまり酷いこと言われると発情しちゃうから僕が。


「そういうことを口に出して言うな。明日世界が終わるとしたらお前は何すんだよ、早く言え」

「うん、まず世界終焉の前々日に家族と1日過ごす」

「それは反則じゃないか」

「可能だよ、それは僕だから」

「何お前、神様?」

「確かに人は私のような者を神と呼ぶのだろうね」

「ああもういいや。で、前日は何すんの」


軽く放置プレイされたけどそこは大目に見てあげようじゃないか。可愛い君の為だしね。


「世界終焉の前日は、朝から君に会いに行く」

「は?」

「それで取り敢えず君を抱く」

「一瞬でもときめいてしまった俺馬鹿野郎」


ときめいたんだね、嬉しいよ。そんなことを君専用の思考回路で考えながら僕はまた口を開く。


「もう既に開いてるけどな、その思考回路とやらは外に駄々漏れしてるがな」

「で、君とデートして、学校の屋上で星を眺めながら君と朝まで語り明かす。もしくは屋外プレイということで一発ヤりたい」

「うん、最後は聞かなかったことにする」

「そして世界終焉当日の朝日を二人だけで見ながら君を抱き締めて、そこでドラマチックに世界が終わる」

「……」


そっか、とだけ言うと君は僕から目を逸らした。うん、君の仕草ってどれも卒倒しそうな程可愛い。
ぼんやりそんなことを思っていると、君が気まずそうに口を開いた。


「俺も、さ」

「ん?」

「世界が終わる前に、最後に会うヤツがお前だったら、いい」

「……………」


あああああああ不意打ち反則!!レッドカード退場!!取り敢えず今から教室抜け出して一発ヤらせて!!!
勢い余って皆の前で公開プレイとかでも僕は一向に構わないよ、寧ろ大歓迎!って言ったら顔を真っ赤にした君に殴られた。


「死ね!」


それも一種の愛情表現ですね、わかります。




明日世界が終わるとしたら

(願わくば君を抱き締めて死にたい)



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