うん、昔はね
「お前さ」
「うん」
「昔、ていうか出会った当初こんなちゃらんぽらんじゃなかったよな」
「いきなり何、珍しく君から話題を振ってきて珍しく長台詞言ったと思ったらそんなに酷いこと考えてたの」
なんだいなんだい、いつから君は薄情者になったんだい。僕と君の仲じゃないか。
と言いながら君に迫ったら君を満足させるために必要な男の大事な部分に拳がクリーンヒット。Oh-my honey!君の愛情表現ってこんなに過激だったんだね。
「手が滑った」
「今のは少しキツかったよ、ホント、三途の川渡りそうだった」
「何が見えた」
「取り敢えず彼岸花らしき花らしき赤い物体が」
「本物っぽいなソレ」
全くマイハニーったら、天然って恐ろしいね!そんな所も愛してるけど。
ああ、話が脱線したので戻そうか。何だって、この僕がちゃらんぽらんだって!
「違うよ、君への愛情表現が段々とストレートになっているだけさ」
「変わってねぇよ。ずっとストレートだよ、寧ろ変化球投げすぎて俺が受け止めきれねぇよ」
「愛にストレートもクソもないよ。そしてそこにあるのは君に対する僕の受け止めきれないほど研ぎ澄まされた愛・情!そして性・欲!」
「お前が言ったんだろ、しかも何で点入れるんだ。強調か?強調のつもりなのか?馬鹿さ加減浮き彫りになってんぞ」
ああ、君にツッコミ入れられるって快感。僕は今から受けになれる気がする。
でも君は無理だね、行為の最中なんか皆に聞かせられないくらいに乱れて…ああ、思い出すだけでイきそ
「だああああああっ!テメェその口縫ってやろうか…!」
「そしたら君にキス出来ないからごめんだね」
「う…、!」
「それから君に奉仕もしてあげられな」
「あああクソ!俺のときめきを返せぇええ!」
ときめいたっていうのを口に出すのは恥ずかしくないのかというツッコミは、あえて入れない僕。君の顔を立ててあげる僕って素敵。
顔を真っ赤にして教室を飛び出してったけど、まあ大方屋上あたりにいるだろうから、今日は屋外プレイ決行で。
「嫌だぁあああ!」
という悲鳴が響いたのは、授業中のことでした。
昔はまともだった
(一応昔の僕は、硬派で聡い性格でした)
「僕今も硬派だよ、君のこと以外は」
「俺のせいか」
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