※Nの本名出てきます
























「この前なんか、トウヤが僕の名前のナチュラルを……」
「え?」
「何、トウコちゃん?」
「ナ、ナチュラル…?」

僕は今カノコタウンのトウコ達の家に居る。ちなみにトウコの部屋のベットに腰掛けている。

「あれ?僕、言ってないっけ」
「言ってない!!言ってない!!」

キョトンとした僕と僕の腹をポコポコと殴るトウコ。昔の自分は人とこんな風に触れ合うなんてなかったな、と幸せな気持ちとトウコへの愛しさが溢れてきた。

「トウコちゃん、ごめんよ。ごめ…ちょ痛いっ!!」

殴る力がポコポコどころかボコボコになってない!?でも、しばらくしたら殴る手が止まった。殴り疲れたのかトウコは息をきらしていた。


「ねぇ、名前呼んでみても良い?」
「いいよ?」

トウコは深呼吸をして心臓を押さえていた。そんなに緊張する事かな?

「ナ、ナチュ、ナ、ナチュ……」
「?」

中々言い出せないようだ。ナチュラルって発音しにくくないよね?さっきは言えてたし。

「ナチュ、ナ……ごめん!やっぱ無理……」
「いいよいいよ。正直、僕自身ナチュラルよりNの方がしっくりきてるから」
「そう……?」

申し訳なさそうに目を伏せるトウコ。あまりに可愛いから頭を撫でてしまった。

「トウコちゃんが、トウコが僕って存在自身を意識して呼んでくれるだけで僕は幸せだよ」
「また、存在とか意識とか難しいこと言って!!」

軽く怒ってるように見えたけど、トウコは頬を染めて嬉しそうだった。

「ねぇ、N」
「はい?」
「N、N、N」
「なあに?」
「N」
「んー?」

な、何!?僕恥ずかしいよ、トウコちゃん!!

「本名呼べない分、いっぱいNって呼ぼうと思って。あと、………ように」
「えっ…」

僕、今すごい顔真っ赤なのかもしれない。後半は小声で聞き取れなかったけど。今なら、ちゅーしても良いのかもしれない。むしろ、今しかない!!そう思ってトウコの頬に手を添える。

「え、N!?」
「トウ…」
「ハーーーーイ!!リア充そこまでーー!!」

ドーンと勢いよくトウコの部屋のドアが開かれる。

「「トウヤっ!?」」

トウコが僕を突き放した。せっかくトウコがデレてくれたのに。だのにトウヤ、君はなんということを…。

「二人共、今日はベルやチェレン達とライモンに行くって話だったろ?」
「「あ…」」

そうだった。今日は久々に集まって出掛けるんだった。

「いくらポケモン達のそらをとぶが早くたって、約束の時間から30分ってどういう事なんだよ!!」
「30分!?うそ!?」

トウコは立ち上がり、荷物とモンスターボールをいそいそと準備し部屋をとびだしていった。僕はその様子をボーッと見ている事しか出来なかった。

「ほら、Nも行くぞ」
「うん…」
「トウコに変な事してないよな?」
「今からしようとしてた」
「このエロピウス」

トウヤからハァとため息が聞こえた。だって、したかったんだもの仕方ないじゃない。



トウコは玄関で二人が来るのを待っていた。

「アレが天才少年だなんて信じられない!!」
(絶対、顔真っ赤になってる。どうしてくれるのよ!?)

トウコの心拍数は早くなるばかり。ナチュラルと呼べないのは恥ずかしさもあったが、他にも理由があった。


「出会った時に知った名前を…、貴方と戦い続けたあの1年を忘れたくないじゃない。」

彼と触れたかもしれない唇を残念そうに指で撫でる。だが、階段を駆け降りる二人分の足音が聞こえて来たら自然に口元が緩んでいた。





(そうでしょ、N)





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N主♀本名ネタその1
結局はNと呼ぶよっていうね。
文章力が欲しい(´・ω・)


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