某曲のパロディ(?)





君は何処に行ったの。

君はあの時、何を思ったの。

君には何が見えていたの。

君に会いたい、会いたい、会いたい。



…………あれ?



「君は、何で居なくなったの?」




気づけば『君』が居なくなっていた。

変わり者で人より純粋な『君』の事だから、誰かに傷つけられて家出しちゃったのかも。

なによ、チェレンもベルも!何を隠してるのよ!トウヤなんてそんな人居ないなんて!酷すぎるわ!!もう、いい。あたしは自分1人で探しに行くから。


周りの声を振り切って私は走り出した。

毎日毎日毎日、走り続けた。これはあたしの問題だ。だから、1人で頑張らなきゃ。

早く出て来ないと嫌いになっちゃうよー、って呟いても『君』に届くわけもなく、虚しくなるだけだった。



毎日毎日毎日毎日毎日、走り続けた。
ジムリーダーの皆までも私を止めた。それを振り切ってまた『君』を探して走り出した。


『君』は家出したんだよね?


何か忘れてるような、とても大切な事を忘れてるような気がしたけど、今はそんな事気にしていられない。


走って

走って走って

走って走って走って


只、君を探し続けた。





気づけばチャンピオンロードを越えてポケモンリーグに着いていた。体は、足や腕には切り傷や擦り傷がたくさん。でも、今はそんな事気にしていられない。

アデクさんなら『君』がなぜ家出したのか知ってるかもしれない。

四天王の皆に訳を話して通してもらうのもあったのかもしれない。けど、自分の力で、自分で育てて信じたポケモン達の力を借りて勝ち進んで行く事を選んだ。


『君』に会う為に!


それだけを信じて勝ち進んでいった。アデクさんに辿りついて、またリーグに来た訳を話したら、アデクさんはとても悲しそうな顔をした。アデクさんも何か隠してる。

殿堂入りなんて要らない。もし勝ったら、なぜ皆が『君』の事を隠すのか聞きたい。そう伝えると、最初はためらっていたけど傷だらけのあたしをもう一度見て了解してくれた。

勝負はすぐに決着がついた。あたしのダイケンキが、カラクサタウンからずっと『君』をあたしと一緒に見てきたからだろうか、いつも以上に必死に戦ってくれた。


そして、案内されたのはチャンピオンの部屋の奥の更に奥。近づく度にあたしの心臓が早くなる。


あたし、なんでこんなに緊張してるの?


たどり着いたのはなんも変哲もない扉だった。それを見た瞬間、理由は分からないけど心臓が止まるんじゃないかと思った。


あたしは何かを忘れてる?


ここからは一人で行きなさいと言われて扉に手をかけた。心臓が、心臓が……痛い。

扉を開くと光が眩しくて目を背けた。
目が慣れてきて視線をあげてみると



瓦礫の山があった。




「あ…、あ………、あぐっ、あ、あ……………」


自分でも聞いた事ない声がでた。



あたしは、
『君』は、
家出したんじゃ、
ない、
『君』が、
居な、
くなっ、
たのは………




「あたしが、」


瓦礫の山から見える潰れたバスケットボールを拾い上げる。


「『君』の、『君』の夢を、」


ハルモニアの文字が消えかけてる。



「あたしが、Nの夢を、壊した………。」




今まで走り続けた足が、膝をついた。視界が歪み始めた。


「………………う゛っ。」




声にならない叫びと涙が溢れた。


────────
なんだか、すっきりしない終わり方に。バスケットボールに名前って書いてあったっけ(´・ω・)?某曲はN主♀にピッタリだと思うんですよ。悲しい曲だけど
BGM→○出少年と○子少女


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -