※Nの本名出てきます






















「セッカシティ到着〜♪」
「見て見て!氷の下にマッギョが居るよ!」
「べル、氷を走るのは危ないよ。」
「久々に来たなー。」
「…………。」

相変わらずこのメンツは個性豊かだなあ、と思いながらマフラーの中に入ってる緑の髪を出す。首が痒くて仕方がない。
今日はセッカシティ付近でダイヤモンドダストが見れるらしく、年末ながらもトウコ、トウヤ、チェレン、べル、僕の5人で集まった。

「N、じゃなくて、ナチュラル。手袋……。」
「え?」

最近トウコが僕を本名で呼ぶようになった。皆は呼びやすいからNって呼ぶのに。まあ、トウコから名前を呼ばれるのは好きだけど。
それはさておき、トウコに言われて気づいたけど手袋を着けてくるのを忘れてた。どおりで手が冷たいわけだ。

「ちょっと手先が痛いけど、僕なら大丈夫だよ。」
「じゃあさ…」
「トウコーーー!!Nーーー!!湖のマッギョがすごい事になってるよーーー!!」
「べル!氷の上で跳ねない!!」

ベルが氷の上でぴょんぴょんジャンプしながら二人を呼んだ。しかし、チェレンの注意も虚しく、べルは足を滑らしてしまった。

「きゃっ!?」
「危ないっ!」

間一髪トウヤがべルを抱き止めた。べルはきょとんとしていたがトウヤが受け止めたと気づくと顔を真っ赤にしてトウヤから離れた。

「あ、ありがとう。」
「相変わらずべルはおっちょこちょいだなー。」

軽くおでこを指で押されたべルは更に顔を真っ赤にさせた。そんな様子をチェレンはやきもきしながら見ていた。

「あの3人修羅場みたいね!行こっか?」
「え……ああ。」

トウコは何を言おうとしたんだろう?





セッカジムのハチクに挨拶に行っている間に外が騒がしくなってきたので、ハチクやジムのトレーナー達と外に出てみると。

「きれいきれいきれい!!」
「これは見事だね。」
「寒いけど見に来て良かったな。」

べル、チェレン、トウヤ達が空から舞い降りる輝きを見ている様子を見つめるハチクは小さく笑っていた。ふとトウヤの腰のモンスターボールがカタカタ揺れた。

「キュレム?他の皆も出たいのか?」
「んじゃ、ポケモン達も出そっか!!」
「それは名案だね。……あれ、トウコ達は?」





その頃二人はセッカシティからでた湿地に居た。

「ところでトウコは僕をここまで引っ張ってきたのは、どうして?」
「ナ、ナチュラル寒くない?手とか。」

トウコはさっきから僕の手を気にかけてくれている。

「ありがとう、トウコは優しいね。でも、だいじょ…」
「もう!鈍いんだから!!」

そう言うとトウコは手袋を外して僕の顔の真ん前に突きつけてきた。

「着けて……すぐ着けて!」
「あ、うん。」

気迫に負けて慌てて手袋を着ける。片方だけなんて……寒いなら気を使わなくて良いのに。

「着けてない方の手、ほら!」
「は、はい。」

冷えた手を差し出すとトウコは僕の手をゆっくり握った。

「ト、トウコ!?」
「ナチュラルの馬鹿!本当に鈍いんだから!!」
「ぼ、僕と手を繋ぎたかったの?」
「…………うん。」
「そ、そっか。」

しばらく二人供何も話さず静かにダイヤモンドダストを見ていた。

「………トウコ。」
「…………何?」
「どうして僕をナチュラルと呼ぶの?」

自分でも何故この一言が出たか解らない。けど、今なら聞けるような気がした。

「……もう1年が終わるね。」
「………」

僕は返事もせずにトウコを見つめ続けた。その方が良いような気がしたから。

「ナチュラルが……貴方が居なくなった。でも帰ってきてくれた、あたしを抱き締めてくれた。本当に本当に嬉しかった。それでも、また貴方は居なくなるんじゃないかって不安は消えなかった。」

トウコの手を握る力が強くなった。僕はトウコの顔を見つめながら頷いた。

「あの瞬間…貴方が居なくなった時は呼び止められなかったけど、貴方の本当の名前を呼んでると今度は呼び止められるような気がしたから。だから、名前を…」
「僕はもうトウコの側から離れないよ。」

今にも泣き出しそうなトウコの瞼にキスした。

「ナ、ナチュラル!?だ、誰かに見られたら!?」
「見られたって良いよ。トウコは見られたら嫌なの?」
「い、嫌じゃないけど……恥ずかしいよ。」

と、言いながらもうつむくが手を繋いだままな所が可愛いなと思いながら頭を撫でているとトウコが顔を上げた。

「絶対に居なくならないでね。」

顔を真っ赤にしながらも僕を見つめていた。そんな様子に僕はすごく嬉しくなった。

「絶対に離れないでね。」
「うん」
「絶対に、絶対によ?」
「うん」
「来年も再来年も、その次も、ずっとよ?」
「うん、離れないよ」

「もう一回、キスして」
「う………うん」

ダイヤモンドダストの中で二人は誓いのキスを交わした。








「うわー、呼びにくいな。にしてもNの野郎トウコに……あ、またなんかしやがった!!」
「もう、ほっておいた方が良いんじゃない?」
「もうしばらく、見てようよ!」

そんな2人の様子を3人は見守っていた。それに気づいたトウコがNにパンチをするまであと15秒。







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あ、甘っ!?甘すぎる!?書いてるうちにどんどん甘くなってました^p^手先も関係なくなってる^p^^p^Nの本名ネタその2
この小説はナチュラル呼びにしましたがいかがでしょうか?


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