零のセーフハウスでお互いに色々話し合った結果、あまりに話が噛み合わなさにもしや並行世界からやってきた同一人物ではないかという異説すら出てくる始末だったが、兎にも角にも俺の記憶に異常が生じている可能性の方が高い。……らしい。
俺にとっては普通に警察で仕事をしていただけだが零視点だと潜入捜査の途中で俺が殺されてしまったようだ。マジでか。

「まあ外が危険だっていうなら今の所はおとなーしく幼馴染のヒモをやってるわ」
「危機感が足りてないぞナマエ」
「えーだって今日も零の作るご飯がうまい……」

なんか料理の腕上がってね?ただのオムライスなのに美味しい、凄い。おかわりしていいかな。にこにこと言ったら零は目頭を押さえた。

「幾らでも作ってやる……!」
「そこまで情緒こめる?」

幼馴染みが料理の美味しさ以上にチョロさ爆上がりしてしまってる。や、零にとって俺は死人だからしょうがない部分もあるんだろうけども!

「……あー、あれだ、零は潜入捜査の仕事で疲れてるんだろ?それなのに悪いな」
「好きでやってるだけだ、気にすんなよ」
「うーん……じゃあ後片付けは俺がやるからな!任せろ!」
「お前に任せると皿が傷つくし泡の流し忘れもあるからなぁ……」
「そんなことねーし、ばっちりだし!」

俺目線、今まで通りの会話だったのだが。零が妙に泣きたそうな、懐かしそうな顔で目を細めて笑うもんだから。もっと今の零と向き合った方が良いかもしれないと思った。

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