「朝から思ってたが……今日は随分と嬉しそうだな、ナマエ?」

隈と目つきの悪さで睨みつけられているような鋭さが滲み出ているが、実際はただ不思議そうに見つめているだけのロー。その胸元に彫られているのはドンキホーテファミリーの海賊旗に描かれているものと同じ髑髏のマーク。

「フフフフ……なァに、昔からの悩みがついに解決したんでな」
「……お前に悩みなんかあったのか」
「俺だって人間だぜ?一つや二つ、軽くあるさ」

普段よりも深くにやついた笑みを浮かべていることは自覚している。今から宴を開いても良いくらい、大喜びだ。

「そうだな、いっそ今日という日を国を挙げての記念日にするか?」

冗談のつもりで呟いたことだったが、思ったよりも良い考えだった。何せ、それだけの価値はあるだから。

「好きにすりゃいいさ」
「なんだロー、止めねェのか」
「よっぽど頓珍漢な理由だったら別だがな。ナマエの国だ、采柄はお前が握ってる」
「そうか!フッフッフ、それじゃあおれの好きにさせてもらおう。今日を持って"猿の日"として記念日に位置付けようじゃねェか!」
「……猿?」

今度こそ他人目線でも分かるほど不思議そうな目で首を傾げるローにまた笑みを一つ。頭を撫でてやればもう餓鬼じゃあるまいしと手を叩かれたが、立派な抗議もこんなにちゃちければかわいいもんだ。手元にある此奴は、俺の努力の欠片だ。自ら役立とうと擦り寄ってくる部下だ。なんて愛らしい。

この先の未来で麦わらを被った猿は存在しない。
嗚呼、今日はなんて目出度い日だろうか!!

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