「蓬、薔薇、梅、桜の葉を混ぜ込んだ液体を小さじ一杯分。十個、出来上がりました」
茶々丸の声がかかり、設計図を睨めっこしていた顔をあげて差し出された十個のフラスコを受け取る。
一寸の狂いもなく全て同じ出来映えだ。
とても満足がいったのでにっこり笑って茶々丸の頭を撫でる。
「ありがと、流石茶々丸。相変わらず凄いね」
「い、いえ……私がというより博士たちの腕前のお蔭です、作られたスペックが良いからです」
「オレが今話してるのはあの人たちじゃなくて茶々丸だよ?茶々丸は凄いなー良い子だなー」
「はわわわ」
無表情のままじわじわと赤くなっていく茶々丸。
「茶々丸がサポートしてくれるからオレは自分のやりたいことに専念できるんだよ。もう本当、大助かり!」
「う、うぅあ、す、少しでもナマエさんのお役に立てているなら、私も、嬉しいです」
茶々丸の顔の色が完全に熟れた林檎のようだ。
恥ずかしそうにしながらも心の底から言ってくれてるであろう言葉に、思わず素で照れてしまう。
「……ありがと」
子供のふりして礼をするのは簡単なのにありのままの自分がちょっとでも掠めるとツンとした対応になってしまう自分を早くなんとかしたい!