※DFFねた。トリップ。
嗚呼、拝啓父上様母上様。
元気ですか?貴女の娘は元気です。………いや、やっぱり元気じゃありません……。この状況を打破しないことには元気になれません。
時間の流れが微妙なので昨日と言っていいのかも分からないのですが、とりあえず昨日、私は夢に夢見ていたDFFの世界にやって参りました。
個人的にはコスモス側が良いのに、何故かカオス側のジェクトさんに拾われ、ミシア姉さんとうぼぁ様のペットにされることを条件にカオス陣営に置いてもらえることとなり、昨日散々、ジェクトさんやらうぼぁ様やらえーと……名前なんだっけ……あぁ、そうそう、ナルシ!
そんな名前なら僕はガーランドを一生恨むね。
すんません。クジャ様。と無理矢理強引に酒盛りをして………そこから記憶がありません。
「目の前にはイカ様か。誰かビールを持ってこい」
混乱の末の発言は、意味不明ということが判明しました。
白いシーツが引かれたベッドの上にはイカ様改めセフィロスが横になっていて、私はその隣で横になっているというベタなもの。
どこぞの昼ドラか、この状況。
身動きしようにも、英雄様のことだ。動いた気配を察知してあの正宗で私を切りかねない。
「(どうしようどうしようどうしたらどうにもならない!!)」
とは言っても、やはりカオス側でイケメン部類に入るイカ様は寝姿も妙な色気があった。
睫毛長いし、胸板とかしっかり…………………ん?
胸板とか?
ゆっくりとイカ様の首から下を見下ろす。確かに普段からなんか黒い上着をベルトで止めただけの無防備な胸板だけどさぁ……。
「上半身裸で寝るとか……外国人か!!お前はぁ!」
恥じらいは美徳な日本人なめるなよ!と言わんばかりにがばりと体を起こすと、今までにないぐらいのスピードでドアに走り寄ってドアを開けようと躍起になる。
「……柚希」
「ひぃ!?い、イカ様ご機嫌麗しゅう!私はすぐに退散するのでちょっ、ちょっと待ってくださいね!ドアが開かなくて……!!」
ひゅ、と風切りの音が耳元ですると、すぐ後ろにいますよ的にドアに影が浮かぶ。
……これ、確か一気に距離詰めて連続斬りする技じゃなかったか?
「逃げるな」
「無理です」
条件反射で出た声に、イカ様の気配がまた近寄った。メリーさんの被害に合っている気分だ。怖い。
「……アルテミシアと皇帝には許可を取った」
「なんのきょ」
かしゃん
「か?」
首に感触。
嫌な予感しかしなくて、勢いよく後ろを向くと、どS顔のイカ様。手には鎖。鎖の先は、私の首に繋がっている。
「ペットには首輪が必要だろう?」
「いや、まじ本気にしたんですかペットとか。冗談だとばかり思ってたんですがぎゃ!?」
鎖を引かれて、ベッドにずるずると連れ戻される。まさに散歩を嫌がる犬のようではないか私。
「可愛がってやるから心配するな。それとも、手酷く躾られるのがいいか?」
「ねぇ、ちょっと待っ、その手の正宗何!?躾って拷問の間違いだよね!?鞘から何で抜いてんの、あぁ!首輪のせいで逃げられないじゃん!待った!待っ…………いやぁあぁ!!」
イカれてる!
「というわけなんですよゴルさん。なんとか弟くん達とコンタクト取れませんか。本気で死にそうなんです………ぐすっ」
「………考えておこう」
あぁ、いとおし、我が平穏!