※破壊神夢主設定
七年前にまだ幼さを残していた幼馴染みが、七年後に完全に「女性」という表現が合う女になっていた。
しかも「破壊神」という物騒な称号まで付いていたから驚きだ。
「八部衆があった頃には破壊神の称号まだ「破壊魔」だったからねー。」
「しかも魔女なんかに協力してるし……」
「だって平和なのつまんないし。破壊の思考回路は魔女たちと似てたから協力……んー?一緒にワイワイしたい的な?」
「なんだその女子高生のノリはっ!?あり得ない!仲良くなったふりをして後ろから攻撃されたらどうするっっ!?」
「うわー、出たよ久しぶりの阿修羅の猜疑心。ちょっとくらい信用したふりとかしてみたら?意外に面白いよ?修行という名の魔女との壊し合い」
「………お前の本気はどこまでが冗談だ?」
「全部だよ。“やぁ、こんばんは。こんにちは。おはよう、ごきげんよう!挨拶ついでにちょっとバトルしない?大丈夫、手加減はしてあげるからさ!”で壊し合い開始!!」
プライド高い魔女に対して馬鹿にした態度で喧嘩を売る技術も七年で培ってきたらしい。
「鬼神様の戦う姿が見たいなー」
「嫌だ!絶対に嫌だ!」
阿修羅に合いそうな服を渡すが、阿修羅はそわそわと落ち着かない様子で「柚希……すまないが、あと五枚ぐらい服を持ってきてくれ」と呟く。
「あー、そっか。阿修羅いつも五枚くらい来てたよね。だが断る!」
「なんでだ!?分かっているならせめてあと三枚!」
「洗濯大変なんだよ!一人暮らしがどれだけ大変か分かってよ!」
しかもいきなり来やがってこの野郎!と、柚希に頬を摘ままれた。
「仕方ないだろう。他の奴らは信用できない。お前は……能天気で裏切りなんて知らなそうだからな」
「………阿修羅さん。ここに一枚の鏡があります。42-42まで入力されてるんだけど、この先書いていい?」
「………すまなかった」
素直に謝る。さすがにまた師匠と戦うのだけは勘弁してほしい。本気で。
「ほら、服は駄目だけと布団ならいいよ。三枚くらい羽織ってなさいな」
薄いのから毛布まで揃えられた布団をかけられる。精神が少し落ち着き、改めて柚希の顔を見た。
随分笑顔を見ていない。
随分あの声を聞いていない。
随分その体に触れていない。
触れたい。聞きたい。話したい。見たい。七年間の隙間を、埋めたくて仕方ない。
「柚希」
「なぁ………ん、わっ!?」
被った布団の中に細い女独特の腕を引っ張って柚希を引きずり込んだ。引きずり込んだと言ってもそんな大きい布団じゃないからか、柚希の足だけ出てしまう。
「あい、たかった……」
「……やっと言ったか。遅いよ」
「……悪いな。………触れて、いいか?」
「どうぞ?私は七年前から阿修羅一人のものですから」
そう言って、七年ぶりに幼馴染み兼彼女にキスをする。
布団の中のキスは二人の体温上昇にともなって、熱いものとなるのです。
「七年ジレンマ」
お前に触れ、お前を抱き、温もりや呼吸を感じて愛を確かめる。
七年間、袋の中でお前を希望に生きていたのだと、今伝えよう。
たくさんの感謝と一緒に。