主人公の定義が崩れる

実写5のせいでもうぐだぐだである(いい意味で)

5ではセレンは1〜4作目で使っていた姿を捨てる。というのもTRFの追撃を逃れるためである。完全に死んだセレンは核(コア)の再生能力により、容姿を変えて復活。ケイドのいるスクラップヤードに世話になることに。

セレンはケイドに随行しながら、兜で顔を完全に隠しながらTFを救っていた。

そんな中、ケイドが騎士に選ばれる。
騎士はセレンを見ながら「湖の乙女」と彼女を称した。湖の乙女、ランスロットの教育者であり、エクスカリバーの元の持ち主であり、ベディヴィアによりエクスカリバーを返還され、今現在エクスカリバーを持ち得る湖の精霊。

騎士はケイドにメダルを、セレンに首飾りを渡した。

ヴィヴィアンと合流し、杖を見つけた面々。オプティマスにより杖が奪われるが、セレンはオプティマスの「洗脳」にいち早く気が付いた。

気高い君、何故あなたが裏切るのかと問う中で、オプティマスはセレンを「寄生虫」「ユニクロンの兵器」「邪悪なる者」と称した。オプティマスはクインテッサからセレンのことを聞いていたのだ。

「ユニクロンの兵器、生命を殺し、自分を含む全てをユニクロンに明け渡す者。」

ユニクロンはクインテッサの敵であり、クインテッサに洗脳を受けたオプティマスにとって、彼女は「殺すべき敵」となっていた。

浮上する墓標。宇宙船の上で、セレンはオプティマスにより殺害された。セレンは遠くなる意識の中で、オプティマスの名前を呼ぶ。


「オプティマス、私のランスロット、裏切りの騎士、だが、贖罪を待つ気高い騎士、もういい。もういい。購わないで。罪はあれど、償いは必要ない。私が持っていく。悪魔たる私が持っていく。私があなたの罪を持っていこう。だからクインテッサの言いなりにはなるな。あれは確かにお前たちの創造主だが、虐げる者だ。かつてのお前たちの先祖はあれの支配から逃れた。あれを追放し、己の足で立ち上がった。だから、あれはもう、お前たちの創造主たる存在ではない。従う必要ない」


笑いながら、セレンは息を引き取る。
オプティマスはその姿に、リベンジの時のセレンを重ね、混乱した。

その瞬間、脇からビーが殴りかかり、あの戦闘シーンに。正気に戻るオプティマス。奪われる杖。

死体のままのセレンは、意識の中、「自分の主人」に会う。ユニクロン。破壊の神。クインテッサの敵であり、命を食らう者。


セレンはユニクロンから「クインテッサを殺せ」と命令を受け、「兵器」として覚醒する。

基地へ送還していた車を破壊し、セレンは点火チャンバーの場所へと飛んだ。

戦場だった。 
セレンが着いた時、オプティマスはまだ到着せず、ディセプティコンによる防衛。オートボットによる攻撃が始まっていた。


セレンは笑う。戦場だ!戦場だ!私の主人への供物、命の献花がこれほどまでに!!紫色の目を輝かせ、セレンはディセプティコンの中に飛び込んだ。


鎌を振るい、命を奪う。
弱体化した兵器はみるみる回復する。

スィークスのおかげで砲台は壊れ、オプティマスが到着。クインテッサの目的を阻止し、メガトロンを蹴り落とした後。墜落するサイバトロン星。

セレンは、笑っていた。
堕ちたサイバトロン星を見ながら、狂ったように。


墜ちた、堕ちた、落ちたぞ。ベクタープライムめ。ざまあみろ。主様の勝ちだ。ざまあみろ。


と、オプティマスがセレンに声をかけると、セレンは紫の目を何度か瞬き、武器を構えようとした瞬間、彼女の首飾りがばちり、と発光した。


それはスタンガンのように、セレンの意識の糸を飛ばした。体に穴を開けたまま戦っていたセレンの体が、変な音を立てて再生していく。

みるみるうちに回復した体は、心臓は鼓動を止めている。だが、確かに生きている。体温があり、呼吸もしている。


オプティマスは彼女を抱き上げた。

ユニクロンの兵器、クインテッサとの関係、そして彼女自身の正体。

それが明らかになる日が始まってしまったのを感じながら。




2017.08.07


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