未題に


※だだえろ
(司×益田=えろは当サイトの等恒式であります)
※司さん鬼畜
※ぶつっと終わる









探偵助手は黙々と、服の釦を外しだした。
何もいわないこと何も見ないことこの部屋を出たらなにもかも忘れること。それがこの関係を始めるにあたっての彼が提示した条件で、それらは司にはどうでも良いようなことだった。久し振りに若い子が抱ける。司にとって、益田との関係は、それくらいの意味しかなかった。
司は、ただ自分の欲を早く解消したかった。
「さっさと脱いでよ益田チャン」
細い背中の後ろに回って、ためらう細い指の先の釦を司は外した。そのまま彼を抱きしめると、肩甲骨や背骨がひどくはっきりと浮きたっていた。その体はひどく脆い物のようだとおもった。
首筋に唇をつける。「緊張してる?」彼は答えなかった。ダメ逃がさない。いくら考えたって。きみの事情とか心情とか斟酌してあげる理由ないし。「でも初めてじゃないんでしょ?」シャツの裾をまくりあげる。薄い白い腹が見えた。飛んで火に入る、夏の、虫。
可愛いね、細いね、シロイね、そんなことをとめどなくその耳元に囁いてやる。どうにも堅さがとれないから、まず気持ち良くしてあげようか。朝食のメニュウみたいに司は、益田を陥落する手順を頭の中で思案した。長い前髪。切れ長の目もと。ああやっぱり若いっていい、張りのある肌が手に吸い付く。余分な肉もなくて触り心地がひどく好かった。卑怯で軽薄、それが彼のポリシイらしいけど今は普通の青年のようだった。益田は本当は真面目で頭の良い青年だと司は分かっていた。(ケイハクね、)まあどうでもいいから好きなように生きていけばいい。隙を見てぶち壊すのも愉しかろう。

「うん、」
思わず口からこぼれたような益田のこえに司は悪い大人としてほくそえまずには居(お)られなかった。後ろから手を伸ばしてぐちぐちと濡れそぼつ彼の性器をいじりながら、性感を覚えると露見した首筋に熱い息を吹きかけた。さっきからそこに鳥肌が立ちっぱなしだ。
彼の口は小さめで、舌も薄かったから、司はなんだか赤ん坊とキスしているようだった。大きい口と厚い舌。ついていかれずぜいぜいと肩で息をしている間にも口のまわりを嘗め回されて、青年の調子は狂うばかりのようだ。
そう何でも俺の良いように食わせてね、何度触れても薄くて引き締まった体は心地好い。「ね、益田チャン」禁忌を破って話すのだって司はなんら躊躇いを覚えない。なぁにそんな口約束。益田はくちびるをきつく閉じて俯いていた。まあ別にそしたら、一方的に話して虐めるだけだけど。
「エヅとも、した?」ぴくりとも表情を動かさない。目を瞑り快感に耐えている。なかなか色っぽい。
「エヅさ、好きだよ、若いコ」言いながら擦り上げる。恐らく神聖視しているエヅのこと、考えながらイっちゃえばいい。ぐつぐつ、精液の音。
「いや、あ」その声いい。縋る感じ、耐えられない感じ、拒むのにヨサには逆らえないひびき。耳元で囁くみたいにして言う。たかぶる表情を間近で見る。「益田チャン、エヅのこと考えると興奮するんだね」それとほとんど同時に益田はイッた。やらしいね、よくできました、気持ちいいでしょ?聞き流されることを前提とした言葉を囁く。ただ聞くだけでゆっくりと相手は陥落(おち)ていく。彼の目は潤んで目尻は涙が滲んで色づいていた。はあ、はあ、うすいくちびるが乱れたリズムで呼吸していた。「カワイイね、益田チャンのカラダいいよ、みんなシちゃうよ、大丈夫すごく気持ち良くしてあげる」薄い唇に口づける。眸が期待を微かに滲ませて司を見る。快感を覚えた体はこれだからラク。拒まれるだけだと萎えてしまう。ある程度快楽を教え込まれたカラダがやっぱり一番愉しい。

「え、まだやる、んですか」
「当然じゃない」
三度目、いや四度目に達して力の抜けた益田の脇に、司は手を差し入れて、ずるり、と硬いままの自分の性器を動かした。「あっあ、」耐えられないと言うように顔が歪む。甘く解けた腰の奥が司を貪るように動いた。腹を反らして益田は喘ぐ。最初とは比べものにならない、大きく艶めいていく声をあげる。「結構スキなんだね、益田チャン」「ふ、う…ッ」くしゃりとその顔が歪んだ。でも快感は鋭敏に拾っていて、浅ましいと思った途端何だか凄く興奮した。腰が視界の真ん中で淫猥に揺れている。「あ、あ、」突けばうっすらと彼はうれしそうに笑んで、ひどく忠実に堕ちていった。



20110710




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