何を言っているのだろうこの男はと思う。



何だか寂しかったのだ。それ以外に理由はない。ふらふらと訪れた眩暈坂の上には、京極堂と書かれた看板の掛かった古書店がある。懐かしさすら覚えた。

閻魔顔の店主が本の頁をくっている。戸が開いた音に目を上げて、仏頂面のままに彼は、ああ来たのかね益田君、と言った。和装の




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