とりますえろ


※えろいだけです


















下宿の前で僕を待ってまでねだる彼がいとおしい。
彼は近づく僕を見つけると抱き着いて、ね、しよ、と舌たらずに言った。
据え膳は食う、そういう諺もあることだしそんなの差っ引いても彼は僕のいとしい恋人。

服を毟りとる間にも彼は僕のくちびるに吸い付いて離れなかった。
微かな薔薇みたいな匂い、ああきっとそれは、榎木津さんの残り香だろう。彼の本来の匂いを嗅ぎたい。首に吸い付く。
敷きぱなしの煎餅蒲団に、彼は熱を帯びて座り込む。病弱そうな躯、それを言うなら彼はもうずっと病気だけれど。そのことを健気に覆おうとする彼が可愛い。

体をなぞる。
唇を這わせずっと下肢まで唾液の線をひいて彼の熱をくわえる。きれいな指が僕の背中にかかる。白い肌。
一度いかせたそれはすぐに緩やかに立ち上がる。
「あ、っあ、っあ」
男のからだで女の子みたいに悦ぶ彼がいやらしい。ぷくりと腫れた、胸の朱二つがやけに目立つ。
暖かくきつくぬめる彼のなか。
入れるときの彼の声や表情が好きだ。だからいつも残したいと思うけれどそれは今のところ叶っていない。僕だってかなりもってかれてる。
骨の浮き出る脇腹を嘗める。
「とり、ぐちさ」
彼の目はもうすっかり蕩けている。淫蕩に笑んでいる薄い唇。
「なまえでよんで」
益田くんはもりひこと拙い発音をした。
欲望に支配されているからっぽな頭。
いつもは背徳だの怯えだのが勝つのに今日のその瞳は違う。榎木津さんのことなんてもう頭から吹き飛んでいるに違いなくてそんな益田くんはえろかった。
彼が腰を浮かせて動かせば薄い肌に骨のかたちが浮かぶ。
「ん、あ、ア、ふ、」
気持ち良さそうに身を反らせてせつなげに喘がれる。
甘い声に誘われるままに、鳥口はほそい体に精を吐く。
「あ、っもり、ひこ、お」
腰をひくつかせもう一度律動を欲しがる彼、寂しそうな唇に指を突っ込めばひどく熱心に舌をつかう。
「益田くんどうしちゃったの…えろいよ」
もう片手で朱をいじる。すん、と彼がしゃくりあげる。感じるのだろう、まるで娼婦だ。益田くんは涙を浮かべてきゅっと目を閉じて、鼻にかかった声で
「ん、んん」
と喘いだ。涙が目の端に滲みつうっとおちる。
「ね、ますだくん」
「あ、あっあっ、」

会話は今のところ成立しない。ならばケモノになる以外に道はない。












おわれ!
みじかくてすみません




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