「さい…ぞ…イきそぉ…」
……焦らしてやる余裕はなかった。限界なのは、才蔵も同じだった。
握ったモノを上下に激しく擦る。
「んっ…んっ…んあぁっ!」
 ―ドピュァッ…
天を向く性器から、白い精液が勢いよく放たれた。
「んあ……」
達した後のうつろな目で才蔵を見つめる鎌之介。
「イっちまった…」
「……終わりじゃねえよ」
放心している場合じゃない。
脱げかけていた鎌之介の着物をすべて取り払う。
下半身があらわになった姿の彼を床に押し倒した。
「才蔵…!」
「ヤろうぜ?」
足を大きく開かせ、すでに硬くなった己自身を後孔へあてがう。
「ちょ、ちょっと待て…っ」
静止は聞かない。
一気に孔奥へ、自身を押し込んだ。
「ぬあっ!!」
衝撃で浮き上がる腰。メシメシと、鎌之介の中が開かれた。何度挿れても…処女のような反応が堪らない。
「痛ってえてば…!」
才蔵の肩に指が食い込む。
「力入れるから痛いんだろ。深呼吸しろ」
「ぬぁぁ!…スー…ハー…」
言われた通り大げさに深呼吸する鎌之介。
その甲斐あってか、締まりすぎていた内部に隙がうまれる。
最奥までグッ、と挿入させた。
「うっ…おまえ、デカすぎ…」
「てめえが狭すぎんだ…」
吸い上げてくる圧迫感。この中で動かせば、めちゃくちゃ気持ちイイと身体が知っている。
足を持ち上げ直し態勢をつくる。
「…才蔵」
「んだよ?」
唐突に向けられる、潤んだ瞳。

「…すっげえ好きだ。おまえになら…何されてもいい」

ズキュンッ、と鳴る胸。
…今この状況で何を言い出すかと思えば。
むちゃくちゃに…容赦なく抱いてやろうと思っていたのに。
「…優しくしてやるよ」
コイツはヤバい。
才蔵を簡単に本気にさせる、無自覚の魔性。
「動くぜ…」
徐々に腰を動かし始める。
数回挿入を繰り返すと、孔奥は異物を受け入れる形を整えた。
「んっ…あっ…あぁっ」
喘ぎへと変わる呼吸。
血肉の殺し合いしか知らなかった男が、才蔵の手ほどきにより華を咲かす。
「んあぁっ!」
ひときわ嬌声が響く一点。
ソコを集中的に責め立ててやる。
「あぁっ…!才蔵…んもうヤベえ…っ」
「早えーよ…っ」
そう言うこちらのほうも、我慢が弾ける寸前だ。
「はぁ…んあっ…出るッ……!」
ブルンッ、と身悶えながら腹に飛び散る白濁。
それを見た瞬間…才蔵の熱が限界を超えた。
「んっ…!」
鎌之介の孔の中へ、アツいほとばしりを注ぎ込む。
前後に動く度、快感の波が精液となって流れ出た。
「…悪りぃ…中に出した」
抜く余裕がないほど…夢中で気持ち良かった。
「べつに、いい…」
余韻に浸ったぼんやりとした声が返る。
飛び散った彼の白濁が、あばらの浮いた細い腹の上で光を帯びた。
「…えろいな」
「ハァ…?おまえがしたんだろぉ」
後処理が大変だな…と思いつつ、もう一度鎌之介の足を開き直した。
「好きだ鎌之介」
「ハァ!?」
「すっげえ好きだ」
「なななな何だと!」
先程のお返しに、むず痒くなるような想いを告げる。
本気で惚れた、初めての男。
「つーわけで、もう一発な?」
「ちょっ…!!」

床に散らばる紅髪は、戦国の世に燃え盛る恋の炎。



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