二 「さい…ぞ…イきそぉ…」 ……焦らしてやる余裕はなかった。限界なのは、才蔵も同じだった。 握ったモノを上下に激しく擦る。 「んっ…んっ…んあぁっ!」 ―ドピュァッ… 天を向く性器から、白い精液が勢いよく放たれた。 「んあ……」 達した後のうつろな目で才蔵を見つめる鎌之介。 「イっちまった…」 「……終わりじゃねえよ」 放心している場合じゃない。 脱げかけていた鎌之介の着物をすべて取り払う。 下半身があらわになった姿の彼を床に押し倒した。 「才蔵…!」 「ヤろうぜ?」 足を大きく開かせ、すでに硬くなった己自身を後孔へあてがう。 「ちょ、ちょっと待て…っ」 静止は聞かない。 一気に孔奥へ、自身を押し込んだ。 「ぬあっ!!」 衝撃で浮き上がる腰。メシメシと、鎌之介の中が開かれた。何度挿れても…処女のような反応が堪らない。 「痛ってえてば…!」 才蔵の肩に指が食い込む。 「力入れるから痛いんだろ。深呼吸しろ」 「ぬぁぁ!…スー…ハー…」 言われた通り大げさに深呼吸する鎌之介。 その甲斐あってか、締まりすぎていた内部に隙がうまれる。 最奥までグッ、と挿入させた。 「うっ…おまえ、デカすぎ…」 「てめえが狭すぎんだ…」 吸い上げてくる圧迫感。この中で動かせば、めちゃくちゃ気持ちイイと身体が知っている。 足を持ち上げ直し態勢をつくる。 「…才蔵」 「んだよ?」 唐突に向けられる、潤んだ瞳。 「…すっげえ好きだ。おまえになら…何されてもいい」 ズキュンッ、と鳴る胸。 …今この状況で何を言い出すかと思えば。 むちゃくちゃに…容赦なく抱いてやろうと思っていたのに。 「…優しくしてやるよ」 コイツはヤバい。 才蔵を簡単に本気にさせる、無自覚の魔性。 「動くぜ…」 徐々に腰を動かし始める。 数回挿入を繰り返すと、孔奥は異物を受け入れる形を整えた。 「んっ…あっ…あぁっ」 喘ぎへと変わる呼吸。 血肉の殺し合いしか知らなかった男が、才蔵の手ほどきにより華を咲かす。 「んあぁっ!」 ひときわ嬌声が響く一点。 ソコを集中的に責め立ててやる。 「あぁっ…!才蔵…んもうヤベえ…っ」 「早えーよ…っ」 そう言うこちらのほうも、我慢が弾ける寸前だ。 「はぁ…んあっ…出るッ……!」 ブルンッ、と身悶えながら腹に飛び散る白濁。 それを見た瞬間…才蔵の熱が限界を超えた。 「んっ…!」 鎌之介の孔の中へ、アツいほとばしりを注ぎ込む。 前後に動く度、快感の波が精液となって流れ出た。 「…悪りぃ…中に出した」 抜く余裕がないほど…夢中で気持ち良かった。 「べつに、いい…」 余韻に浸ったぼんやりとした声が返る。 飛び散った彼の白濁が、あばらの浮いた細い腹の上で光を帯びた。 「…えろいな」 「ハァ…?おまえがしたんだろぉ」 後処理が大変だな…と思いつつ、もう一度鎌之介の足を開き直した。 「好きだ鎌之介」 「ハァ!?」 「すっげえ好きだ」 「なななな何だと!」 先程のお返しに、むず痒くなるような想いを告げる。 本気で惚れた、初めての男。 「つーわけで、もう一発な?」 「ちょっ…!!」 床に散らばる紅髪は、戦国の世に燃え盛る恋の炎。 戻る |