部誌2 | ナノ


ひかれる



Q.教師と生徒の恋愛についてどう思いますか?

・荻野目夏さんの回答
A.ジェイ・ホリデーみたいなイケメンなら考えてもよい。

・端場敬弘さんの回答
A.普通に無理だろ常考。

・柘百合子さんの回答
A.よくあることらしいが個人的にはない。萌えるには萌える。

・掛井涼さんの回答
A.フィクションの中なら断然あり!

・高岡始さんの回答
A.良くはないんじゃないかな……。

・二宮和美さんの回答
A.興味なし。

Q-2.そこをなんとか
A.とりあえず在学中はやめたほうが無難。卒業後はどうしようと各人の自由なので勝手にどうぞ。興味はあるので進展したら教えろ。

「まあ仮にその状況で喧嘩になったら、問答無用でみょうじの味方につくわね」
「ぼ、ぼくも」
「高岡くんも微力ながら協力してくれるって。微力ながら」
「二宮先輩、どこにオブラート落としてきたんですか」
「二宮先輩、高岡先輩が床に『の』の字書いてます」
「それよりも質問の続きなんだけど」
「(それよりも!?)」
「ごめんねいきなり。なんか訳わかんなくなっちゃって」

みょうじ先輩はばつがわるそうに笑った。
宝塚に居たら男役で人気の出そうな整った顔で、小学生の女の子みたいにもじもじしている。

「えっえっ仮定じゃなくてマジの話ですか」
「うん、えーと、なんつーか、マジっす」

荻野目さんと柘さんのテンションが一気に上がった。女子はこういう話題好きだよな、と思う。実際やばいんじゃねえのそれ。ただどうにもみょうじ先輩らしくない。いつもならもっとスマートに、羨ましいぐらい飄々としている。さらっと気障な台詞で告白とかできそうなのに。

「……先輩でもままならないことってあるんすね」
「ままならないことだらけだよォ」
「ええ格好しいだものね」
「まーね」
「でも背伸びっていうか、格好つけたくなりますよ。好きな人の前だと特に」
「うん。ただやり方がさっぱり分かんないんだこれが」
「先約取り付けてライバルがいないか目を光らせとけばいいんじゃないの」
「具体的にどうすればいいですかにのみやせんせい」
「わたしだって知らないわよ」
「先輩も恋する乙女なんですねーかわいい」
「やめて言わないで恥ずかしい死ぬ」

隣から肘鉄。
高岡先輩はまだ復活していない。掛井くんが小声で話しかけてくる。

「なんか話がどんどん違う方向に行ってない?」
「違う話のようだが実はあれは一つの大きな流れになってんだよ。女のお喋りってそういうもんだぜ掛井くん」
「女子ってすげー。勝てる気がしない」

心の底から同意。というよりダンス部の女性陣こわい。

「で、誰なの?相手は」

一瞬の沈黙。大事なところが抜けてた。皆の視線がみょうじ先輩に集まる。

「あ、相手…………鬼田先生」



間。
そして間。



「アウトです!」
「先輩止めた方がいいです!」
「俺の妄想が脆くも崩れ去った」
「みょうじ先輩ェ……」
「前言撤回するわ」
「鬼田先生はない」
「なんでそんな目でこっちを見るのかなー?ぶん殴るぞてめえら」
「君たち煩いよ」
「ギャー出た!!!」

***

「そういえば先生って下の名前なんだっけ」
「そこから?……健吾です」




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