部誌3 | ナノ


置いてきぼり



君が寝ている間に、ワタシはチョコレートというお菓子を知った。
お菓子というものを教えてくれたのは、君。
そのことを思い出すと、鼻の奥がツンとしてくる。
君がずっと寝ているものだから、ワタシはずっとチョコレートを食べている。
だって、それくらいしかすることがないじゃないか。
積みあがったチョコレートの包み紙や、箱が、君の眠る棺のすぐ傍まであふれかえっている。

「つまらない、つまらない」

ユーリが眠っているこの世界は、とてもつまらない。




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