ミルクパンで温めておいた牛乳に、銀のスプーンで刻まれたチョコレートを３杯。……少し考えて、贅沢にもう１杯入れて、溶けきるまでゆっくりかき混ぜる。
　お気に入りのマグカップに注いで、お気に入りの大きなビーズクッションにもたれるようにして座り、一番好きな曲を聞いて、甘い香りを放つそれをこくりと一口。
「……やだ、しょっぱいじゃない」
　渡せなかったチョコレートで作ったホットチョコレートは香りばかりが、優しく甘かった。




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