僕と君を包み込む蒼、そして白雲はゆるりと綻ぶ※アリスパロ もしも僕がハンサムで、背が高くて、甘い言葉を囁ける人間だったら、この関係も何か違ったのでしょうか? ──美しいお嬢さん? 【僕と君を包み込む蒼、そして白雲はゆるりと綻ぶ】 「ねぇウサギさん」 君は僕をウサギさんと呼ぶ。 「なんだいアリス君」 いつの間にか、僕と彼女は「ウサギさん」、「アリス君」と呼び合う関係になっていた。 「あの雲、時計みたいね」 「…どの雲だい?」 「あれよ、あれ」 「あれ、じゃわからない」 「んー、じゃあそれ」 「…何か変わったのか」 そんなお茶目なところも大好きだ。 「わたし、時計って大好き」 「不思議な子だな」 「だってあなたがいつも持ってるんですもの」 そう言われて、ふと手元に視線を落とせば…確かに、懐中時計を握っていた。 「…関係ないだろう」 「もう、照れちゃって〜」 「ウサギをおちょくるのはやめろ!!」 そう叫べば、一瞬の沈黙。 風の音がはっきりと聞こえる。 嗚呼、少し肌寒い季節になったな、とそんなことをふと思った。 「ふふふふふふ!!」 彼女が笑い出して、そちらを見ればバチリ、と目があった。 それが可笑しくて、幸せで、笑いが止まらなくなってしまった。 「、っはあ、僕は…空が好きだなぁ」 「、ふふふ、え?なんで?」 「だって、」 ああ。なんか照れ臭いな。大きく息を吸い込むと、一気に吐き出した。 詞(ことば)とともに。 「だって、君の服と同じだ。 青い空、白い雲…。 でもそのせいで、いつもアリス君に見られてるみたいで落ち着かないけどね」 「なにそれー」 また、ケラケラと笑う。 割りと冗談じゃないんだけどな、というのはしばらく心にしまっておくことにする。 こんな関係も、悪くはない。 蒼いそらと、白い雲の下、君と微笑みあえる、こんな関係も。 「──ティータイムにしようか」 ...end?──continued... --- マガの方でお世話になっております、『誠の鐘の響く場所』の紘様より記念とお礼にと頂きました。アリスパロとかもう可愛すぎます。そして穏やかな雰囲気も好みすぎます。要するに大好きですっ。紘様、ありがとうございました!! |