ふたり繋がり





今俺の隣にいるのは、幼なじみ兼恋人の女。月夜の灯りが、ゆらゆらと彼女の顔を照らした。



「姫、起きろィ」

「…………。」



…応答、無し。

人のベットでぐっすりと熟睡する彼女を見て、俺は呆れ顔だ。

だがその胸には、抱き枕が抱き込まれていて。すーすーと寝息をたてる姫は、とても可愛らしかった。



「ったく、」


無防備にも程がありまさァ。



ばつの悪そうな顔をすると、姫と向かい合うように、総悟は寝返りを打った。

そして、姫とは反対側から、抱き枕に抱き付く。彼女の腰の辺りに足を絡ませると、柔らかな布地に顔を埋めた。



「案外、腰細いんですねィ」

「…………。」



あーあ、一人で話すのは退屈でさァ。姫の奴、呑気に寝やがって…。

総悟は詰まらなそうに口を尖らせた。かと思うと、今度は口角をニイッと上げて。


彼女の腰に組んでいた足を、より強く組み直す。姫が起きても絶対に逃げられないように、固定をするのだ。



「んじゃ、いただきますぜ」



ドSな笑みを浮かべたかと思うと、彼女の鎖骨にキスを落とす。ちゅ、と吸い付けてから、舌でペロペロと舐め回した。



「…んぁ、……」

「お、寝てても少しは感じるみてェだ」



それでも起きない姫に、俺の心は火が付いた。

赤い印を、胸の膨らみ、手首、頬、おでこ…と移していく。その内にいつの間にか、姫のパジャマは乱れていて。



「何か、エロい…」



このままだと、本当に襲ってしまいそうだ。だがそんな事をしたら、姫に何て言われるか…。

総悟はぎゅっと固く目を閉じると、最後に印を唇へと移した。


甘くて柔らかいそれが、俺の愛を高く積み上げてゆく――。





((俺は君に溺愛中。))

(こんな俺でも、)
(誰かを愛す事が出来たから)






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