あたしの彼氏は、世界中の女全員を振り向かせるほどイケメンだと思う。
別に、彼氏の自慢をしてるんじゃなくて素直に思う。
だからこそ憎たらしいんだよね…。目の前をサラサラ動く銀の長髪が。
「ゔぉおい、何してやがる…」
「みつあみー!可愛いでしょ?」
「なんでオレの髪でしてんだぁ!!!」
うん、可愛い。スクアーロが女の子だったらきっとあたしが襲ってる。
「ねぇ、なんで髪切らないの?」
「願掛けだっつてんだろぉ」
ボスがいなくなって7年が過ぎた。ぶっちゃけあたしは、ボスのことだからすぐに帰ってくるだろうって、思ってた。
でも、待っても、待っても、ボスは帰ってこない。
スクアーロやあたしたち幹部だけが、馬鹿みたいにボスの帰りを信じてる。
本部の人間に何を言われようと、ずっとボスの帰りを待っている。
「スクアーロって、髪短い方がイケメンになると思うよ」
「オレは長髪でもイケメンだぞぉ」
「はいはい」
イケメンだと自覚している奴ほど、あたしがむかつくものはない。
確かに、あたしは可愛くないし、背も胸もちっちゃいけどさ。
「名前は可愛いけどなぁ」
「…うるせいやい」
こういうとき、スクアーロが好きだなぁって思う。
あたしが思っていることがなんでも分かっちゃうんだもん。
だからこそ、ボスのためだけに髪を伸ばすって…なんかむかつく。
「妬いてんのかぁ?」
「妬いてないし!ばーか!自意識過剰!」
「ったく、しょうがねぇな」
スクアーロは後ろから包むようにあたしを膝の上に乗せて、頭をあたしの肩にのっけた。
子供をあやすんじゃあるまいし、抱っこされてもねぇ…。嬉しいけど。
スクアーロがあたしの肩でもぞもぞ動いてくすぐったい。
「くすぐったいよ」
「ん゙」
返事はするもののスクアーロの動きは止まらない。
「ひゃっ」
離さないどころか、このカス鮫があたしの首に噛みついてきた。
「ちょ、スクアーロ!!」
「髪はザンザスにやったけどなぁ、」
「…へ?」
「それ以外は全部名前にくれてやるよ」
どうしてスクアーロは、あたしが言ってほしいことがすぐにわかるんだろう。エスパーか、この野郎。
くだらないとこでボスに嫉妬していた可愛くないあたしだけど、スクアーロはいつでも優しく包んでくれる。
「しょうがないから、あたしがスクアーロを幸せにしてあげるよ」
「もう十分幸せだけどな」
あたしだってスクア−ロがいるだけで、十分幸せだ。
スクアーロの方に向き直って、きょとんとしてる顔にキスしてやった。
「ゔぉおい…、オレの理性ぶっ壊す気かぁ?」
「さぁ、どうでしょう?」
そのままあたしとスクアーロは、お互いが飽きるまでキスをした。
「あいつら、ここが談話室だって分かってるわけ?」
「少なくとも、スクアーロは分かっているよ」
「二人ともいいわね〜」
君の全てを愛したいから
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鮫は皆に見せ付けたいタイプだと思います(^p^)
by 真 白
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