「名前センパーイ、どこ行ったんですかー?」


Sランクの任務を名前先輩と組んで、名前先輩が雑魚をやっている間にミーがボスを片付けるという作戦だった。

ボスを殺った後、周りも静かになったと思って名前先輩を探しているがまったく見つからない。


「最近体重が太って隠れてダイエット番組見ている名前センパーイ?」


…おかしいですねー。嫌な予感しかしないんですけど。

そのとき、部屋の隅でもぞもぞ動く物体を見つけた。



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「遅ぇ…」


名前がフランと任務に出掛けたのは五時間前。いくらSランクだからといっても、あの二人ならもう帰ってきてもいいころだ。


「スクちゃーんイライラしてないでこっち手伝ってちょうだーい」

「……チッ」


舌打ちをして立ち上がった瞬間、バァンと談話室の扉が開き、息を切らしたフランが立っていた。


「ゔぉおい、名前はどうしたぁ?」

「実はー…」


不自然に目をそらすフラン。フランが目をやった方には、ちっせぇガキがいた。


「なんだぁそのガキ?」

「名前先輩ですー」


「あ゙ぁ!?んなわけねぇだろ!」

「ふぇっ」


オレが大声で怒鳴ったら、ガキがぐずりだした。…初めて顔を見たが、よく見りゃあ目が名前にそっくりだ。


「今日壊滅したファミリーの研究室に十年バズーカに似たようなのがあったんですよーだから、名前先輩はそれで…」


「…てめぇ名前はなんていうんだぁ?」

「名前!3ちゃい」


やべぇ頭痛がしてきた。ありえねぇだろ、名前がいきなりガキになるなんて。


「かえりゅしゃん、さっきのちてー」

「いいですよー。はい、ぽぽぽぽーん」

「きゃー!ぽぽぽぽーん!」


フランが幻覚でわけのわからねぇ生き物を出しやがった。…しかしこの状況、これからどうすっかなぁ。


「へぶちゅ!」

「…とりあえず談話室に入れぇ」


寒いのか盛大にくしゃみをする名前を抱き上げ、これからのことは談話室で考えることにすっかぁ。


「ながーい!くるくるー」


ソファーに座らせたのはいいが、オレの髪でくるくる巻きついて遊ぶ名前。地味に痛ぇ。


「可愛いわ〜本当、食べちゃいたいくらいね〜。あたしにも抱っこさせてちょうだい」

「てめぇがしたら名前が潰れるだろうが」


「ほっぺぷにぷにですねー。名前先輩ーチューしていいですかー」

「ちゅう?」

「駄目に決まってんだろぉが!!」


名前に迫るフランを殴り、名前を抱き上げた。


「たっかぁーい」


きゃっきゃっと嬉しそうにはしゃぐ名前。…可愛くねぇこともねぇな。


「でもスクちゃん、これからどうするの?」

「とりあえず明日になってこのままだったら考えるかぁ」


「じゃあ名前先輩ー。今日はミーと一緒にお風呂に入りましょーね」

「おふりょ!かえりゅしゃんとはいるー」


いつのまにか名前はオレの腕から消え、フランの膝の上にいた。


「ふざっけんなフラン!てめぇなんかと風呂に入らせるか!」

「じゃああたしと入りましょうね〜」

「てめぇはもっと駄目だぁ!」



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「ちゃっぽーん」

「疲れたぜぇ…」


あの後、任務で帰ってきたベルも混ざって名前を取り返すのに苦労した。


「しゅくあひるさんはー?」

「ねぇよそんなもん」

「ぶー」


浴槽の縁に掴まって、頬をぱんぱんに膨らます名前。…なんかいつもの名前もこんなんだなぁ。流石にあひるとは言わねぇが、拗ねると頬を膨らませる。

…ちっせぇ尻。浴槽でばちゃばちゃと騒ぐ名前。いつになったら戻るんだぁ?


「しゅく、あちい」

「あ゙ぁ?」

「おふろ、あちい」


熱い…ってかぁ?名前に合わせてぬるくしたつもりだったんだが…。もう出るかぁ。


「来い」

「んぶ」


オレの腕にしがみつく名前。なんつーか、名前とオレにガキが出来たらこんな感じになんのかぁ?肝心の名前はこの状態だがよぉ。


「んーくすぐっちゃい!」


バスタオルでごしごしと身体を拭いてやってると、名前が身をよじらせた。


「我慢しろぉ」

「んや!」

「ったく、拭けたぞぉ」


「ん、」


腕を伸ばしてオレの首にしがみつく名前。…可愛い。純粋にそう思ってしまった。こんなのが他の奴らにバレたらうるせぇだろうな。


「しゅくー…ねみい」

「まだ夜の7時だぞぉ?…しょうがねーな」


目をごしごしとちっせぇ手でこする名前を、ひょいと抱き上げてベッドに寝かしつけた。

まだ仕事が残っていたオレは、名前がベッドに潜ったのを確認し、ベッドから離れた。


「んーやぁあああ!」

「どぉしたぁ!?」


オレがベッドから離れた瞬間、名前が泣き出しやがった。仕方なく、名前を膝に乗せ背中を優しくさする。


「うっ、うっ、うぇ」

「…ったく、世話の焼ける奴だぜぇ」


名前を抱えたまま、ベッドに滑り込み寝付くまで優しく抱き締めた。



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「スクアーロ!起きて、スクアーロ!」


名前の声で重たい瞼を開けると、元の姿に戻った名前がいた。


「…戻ったのかぁ?」

「夢見たの!スクアーロがちっさくなってね、可愛かったなぁー」


あ゛ぁ?ちっさくなったのは名前じゃねぇのかぁ?…きっとちっせぇ名前がこっちにいる間に、名前はオレがちっせぇころに飛ばされてたんだなぁ。


「ちっちゃいスクアーロかぁ…また逢いたいなぁ」

「んなもん、逢いたかったら逢えるだろぉ」


「え!?逢えるの?」

「名前とオレがガキ作ればいいんだろぉ?」


そうすりゃあオレはちっせぇ名前に逢えるかもしれねぇし、名前もちっせぇオレに逢えるかもしれねぇ。一石二鳥じゃねぇか。

顔を真っ赤にして口をぱくぱく動かす名前の耳元で、オレは低い声で甘く囁いた。


「今夜は覚悟しとけよぉ」


かわいすぎてごめんなさい
(どっちに似るか楽しみだね)


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10年バズーカというより20年バズーカって感じで…←

by 真 白






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