隣に居るお前は――…
何故自分で自分を傷つける?
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クラスが同じになったり隣になったり何に関しても"同じ"になるって奇跡の一つだと俺は思うぜ?
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「なんでお前、自分で自分を傷つけてんの??」
「え?」
問えばお前はマヌケな顔して疑問符を頭に浮かべた。
俺は女子とはあんまり話さない主義だけれど隣にいるお前は回りの女子より数倍かわいいと思うし一目惚れしたのか手に入れたいって思ってるのかもしれない
だけどそんなお前は――…
虐められている
親が罪を犯しお前は全然悪くないはずなのに虐められて虐めているクラスの奴らの考えがいまいちわかんねぇ
「腕のリストバンド。見ればわかるし」
「あぁ、これか。まぁ傷つけてるけど慣れたものだよ、もう」
「お前、そんな切ってっとそのうち今よりもっと辛くなるぜ?」
「ベルにどうこう言われてやめられるものじゃないよ」
「わかんないぜ??」
「え、ちょ、」
俺は名前の手をひいて滅多に誰もこない図書室に強引に連れて行き、壁に名前の肩を押し付ける
「こうやって言っても??」
俺が耳元でやめろと甘く囁けば肩をびくっとさせた
「ちょっ、誰かきちゃうし...やめっ」
「誰もこねーって。てかこんなんで感じちゃってんのかよ、ししっ」
「ば、ばかっ!!」
ドンと弱い力で押されて離れてみれば顔を真っ赤に染めた名前がいる
「次、自分傷つけるようなことしたら今日よりもっとすごいことするからな、ししっ。」
「ぜ、絶対嫌!!!絶対傷つけないもん!!」
そう言えば図書室を素早くでていった名前。
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俺とお前は何の関係もないただのクラスメイト。だけど何故かお前に傷ついてほしくなかった。お前は何も悪くないのに傷つけられるお前をみていられなかった。なんでかわからない。
けどちゃんと自分の存在を否定せずに生きて欲しいと思ったのかもしれない。
人間ってお節介な生き物だよね、ししっ
( 消えてしまいたいなんて言うなよ )
紫織
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