「雲雀さん、雲雀さん。これはなんですか?」
「見て分かんないの?書類だよ」
「そんなん分かるわっ!!そうじゃなくって、なんであたしがこの書類を片付けなきゃいけないんですか!?」
「君の遅刻は今学期に入ってもう10回超したからね、その罰」
「…そういえば、風紀委員だったね」
「咬み殺そうか?」
「スミマセンデシター」
放課後に今日は帰って録画した昼ドラを見ようと思っていたら、雲雀さんに捕まった。そしてそのまま応接室に連行。そして今に至る、と。
「ク・フ・フ〜♪おや、雨芽じゃありませんか」
鼻歌混じりで応接室の扉を開けた強者がいたと思ったら、骸先輩だった。いや、ク・フ・フ〜♪って…聞かなかったことにしよう。
「こんなところでどうしたんですか?」
「いやぁ、ちょっとお手伝いを」
「君こそこんなところで何してるんだい?」
チャキっと骸先輩にトンファーを構える雲雀さん。ちょっとここで喧嘩するのはやめてほしいな、あたしが巻き添え食らう。
「雲雀恭弥の雑務なんてしていないで、僕とソフトクリームを食べに行きましょう」
「…は?」
「なに言ってるんだい?雨芽はこれから僕とあんみつを食べに行くんだよ」
「はぁ?」
なんなんだ、この二人。ついに暑さで頭がおかしくなったのだろうか。いや、もとからおかしかったのか。というか、なんだよ雲雀さん。書類整理はどうしたんだよ。
「クフフ…雨芽はソフトクリームの方がいいですよね?」
「なに言ってるんだい?あんみつだよね?」
ちょ、笑顔だけれども目が笑ってないよ!この二人!いやもう、ソフトクリームでもあんみつでもなんでもいいし。とりあえずこの場から逃げ出したい。
「えっと…」
「選べないんですかね、…仕方がない、勝負です!雲雀恭弥!」
「いいね。望むところだよ」
「ちょーっ!ストップ、ストップ!えっと間を取って三人でかき氷にしよ?ね?」
はぁ。この二人にかまっているとドッと疲れが出てくるんだけれど。ベルやフランとはまた違った二人だからね。
「雨芽が言うなら…仕方ないですね」
「咬み殺すのは次にしてあげる」
ええ、どうぞどうぞ、あたしがいないところでどんちゃんやっちゃって下さい。あたしがいないところでだからね!
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「いちごのくださーい」
「パイナップルを」
「宇治金時」
…なんなんだろうこの三人組。あたしと雲雀さんと骸先輩って…周りから見れば、風紀委員長と生徒会長と一般生徒だよ。なんかあたしが悪いことしたみたいじゃん。
「最近の食堂は便利ですね。かき氷があるなんて」
「あたしが提案したんだよ」
「君の頭はいつでも食べ物のことばかりだね」
なんて失礼なんだ雲雀さん。でもシャクシャクと宇治金時のかき氷を食べる雲雀さんが、なんだか可愛いから許すとしよう。
骸先輩なんかパイナップルヘアーでパイナップル味のかき氷食べてるんだよ。うん。やっぱりこの人変な人だなぁ。
「ゔぉおい、なんかやらかしたのかぁ?雨芽」
だから言ったじゃないか、この三人でいたらそう思われるって。
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11/07/10
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