「もっちゃん先生ー」

「ん?オレのことか?」

「うん。やまもっちゃんだから、もっちゃん先生」

「ははっ。蓮野はネーミングセンスいいなー」

「ゔぉおい、そんなんでいいのかぁ?」

「あ、すっきゅん先生」

「誰がすっきゅん先生だぁ!!!」



職員室に戻ると、山本武と雨芽がアホな会話をしていたからつっこまずにはいられなかった。…だが、すっきゅんってなんだぁ?



「いってー…殴ることないじゃん」

「生徒を殴るのはよくないぜ!スクアーロ」

「なぁ、オレがいつこいつを殴ったんだぁ?お前の目はお飾りかぁ?」

「ジョークだよ、ジョーク。ね、もっちゃん先生」

「おう!スクアーロも少しは冗談通じろよなー」



…頭痛ぇ。こいつらとアホな会話してたらますます頭が痛くなりそうだ。いや、確実になるなぁ…。

オレはこめかみを抑えた。ただでさえ日常でのザンザスによるストレスが激しいのに、こいつらと絡んでたらいつかストレスで胃に穴があく。



「すっきゅん先生、頭痛?」

「そのすっきゅんっていうのやめろぉ…誰のせいだと思ってるんだぁ」

「もっちゃん先生、先生のせいにしてるよ」

「スクアーロ、オレなんかしたか?」



違ぇだろおおお!!!いや、違わなくわねぇがほとんど雨芽のせいだろ。
こいつ自分の担任を盾にして、自分だけ逃れやがった。ありえねぇ。



「頭痛にバ○ァリン〜」

「蓮野、バフ○リン持ってんのか?」

「持ってないですよ、歌っただけ」



…こいつがここで○ファリン出せば好感度は間違いなく上がっていた。歌っただけ、だとぉ?期待させやがって。

つーか雨芽が黙ればバファ○ンなんざ必要ねぇんだ。さっさと職員室から出てけ。



「で、雨芽は何しに来たんだぁ?」

「ああ、もっちゃん先生に教科書貰おうと思って」

「そうだったな!ちょっと待てろよ」

「……教科書?」



雨芽が入学してきてもう数ヶ月は経ってるはずだ。…教科書?なんで山本武は当たり前のように教科書出してんだぁ?
まぁ、雨芽だからしょうがねぇか。…って、しょうがなくねぇだろ!?流石にねぇぞ!



「これで全部だぜっ」

「教科書ってこんなにいっぱいあったんだ」

「お前、今までどうやって生きてきたんだぁ?」

「ベルのおさがり」



ベルのおさがり…。よくあの自己中王子が雨芽に教科書なんか譲ったなぁ。
いや、あのベルがただで雨芽に教科書を譲るはずがねぇ。



「タダで、かぁ?」

「んや、条件付きで」

「条件ってあれか、貸す代わりになんかしろって言われたのか?」

「貸す代わりに、メイド服の写真撮らせろって言われた」



あのときベルが売りつけてきた写真はこれか…。陰で売られてるとも知らずに、呑気な奴だぁ。



「んで、この前職員室来たらすっきゅん先生の机にあった」

「…はぁ?」

「スクアーロー俺にも見せてくんね?」

「あるわけねぇだろぉおお!?」

「ジョークだよ、本日二回目の」

「スクアーロって騙されやすいよなー」



…今後一切こいつらが二人でいるときは、関わらねぇようにしよう。単体ならまだ扱えるが二人となると流石のオレでも無理だ。

とりあえず、今日は帰りにバファリ○と胃薬買っとかねぇと身がもたねぇ。


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11/04/07







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