「誕生日おめでとう!スクアーロ」
「あぁ」
毎年の誕生日、共に過ごしていた君は……もう、いない。
xxx
桜の枝の花がふっくらと膨らみ、残雪の寒さを忘れ、暖かい日だまりに包まれるかのような春の訪れ。
ボンゴレ独立暗殺部隊幹部、S・スクアーロはひとつの墓石の前にいた。
普段、任務でしか使わないであろう己の剣を左手の義手に差し、静かに墓石の前にしゃがみこんだ。
「名前、オレも今からそっちに行くからなぁ」
目を閉じれば、鮮やかに蘇る彼女との記憶。それと同時に湧き上がる、己に対する憎しみ、失望感、そして孤独。
いつのまにオレはこんなに弱くなったんだぁ…。だけど、あいつがいない世界なんて耐えきれねぇ。
ぐっと手に力を込め、スクアーロは剣を腹に突き立てた。
→