「やばい、種類がありすぎる」
サンドウィッチ、パスタ、ピザ、…ラーメンとかもある。
「そうかぁ?」
「この感覚に慣れてることにだけ尊敬します」
「だけってなんだぁ!!だけって!!」
とりあえず、あたしと先生は食堂のおばさんにそれぞれ好きなものを頼んだ。もちろんスクアーロ先生のお金で。
「てめぇ、いつか覚えとけよぉ」
「あたしは何も聞こえない」
耳を塞いでいたら、先生に肘で小突かれた。…地味に痛い。
午前授業とだけあって、食堂にはあたしとスクアーロ先生と、数人の教師と生徒しかいなかった。
「おいっしー!」
「普通じゃねぇか?」
「今までのおいしいものランキングで、堂々の一位です」
「普段何食ってんだぁ…」
あたしのことを哀れむ先生。いや、先生こそ普段何食べてんのよ。
「彼女とかいないんですかー?」
「生憎なぁ」
こんなイケメンに彼女がいない…。あぁ、先生の性格上みんな逃げてくのね。
「ゔぉおい、何考えてやがる」
「あれです、今の政治について」
「どう考えても嘘じゃねぇか」
この先生、見た目で判断しやがったな。確かに見た目は頭悪そうだけど実際は…やめとこ。
「先生のパスタおいしそう…」
先生が食べているのは、ペペロンチーノ。あたしは、オムライスかパスタで迷ったあげく、オムライスにした。
「いるかぁ?」
「え、いいの?」
「一口くらいならなぁ」
先生って実は優しいんだよね。朝もバイクに乗せてくれたし、あたしのわがまま付き合ってくれるし。
「ほらよ」
「……へ?」
綺麗にパスタを巻いたフォークをあたしの前に突き出してくる先生。
あれだよね、恋人たちがあーんってするのをあたしにやれと…?
「餌付けだ、餌付け」
前言撤回。この先生、あたしのこと絶対に人としてみてない。
「いらねぇのか?」
…ニヤリと笑う先生がすごくうざい。でも食べないとなんか負けた気がする。
「いただきます…って辛!?」
なにこれ、異常に辛い!!え、いじめ??ついに教師のくせにやりやがった!!
「…雨芽、やっぱりアホだろ」
笑いを必死に堪えてるのバレバレなんですけど、この教師。こいつ図ったな。
「…水」
「しゃあねぇな」
先生に差し出された水を飲んでやっと落ち着いた。
「なんでこんなに辛いの?」
「タバスコだぁ」
「…先生なんか死ぬばいいのに」
いまだにニヤついてる先生。うん、絶対にいつか復讐してやる。
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11/03/27
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