「ゔぉ!?…………雨芽かぁ?」


パタン。って、なんでベストタイミングにスクアーロ先生がいるの!?

なに、なんか仕組まれてるのか!?


「随分とおもしれぇ格好してるじゃねぇか」

「好きでやってるんじゃないやい!!」


ドア越しに話しかけてくるスクアーロ先生。

絶対にこいつあたしをからかってる。


「先生、どっかいって下さい。つーかどっか行きやがれ」

「雨芽、雑用係としてオレの荷物を運ぶの手伝え」


「いや、今英語の授業じゃないし」

「てめぇ、この前サボったこと忘れたとは言わせねぇぞ」


そういえば、重たいダンボールを運ばないといけないときに、サボったような、サボらなかったような。


「後期もやりてぇのか?」

「運びます!喜んでお手伝いさせて下さい!」


「…………本当に扱いやすいなぁ」


出ちゃったよ。

こんな格好でスクアーロ先生の手伝いなんて、学校中に醜態をさらすようなものじゃないか。


「スクアーロ先生なんか、いつか机の角に小指ぶつけて泣けばいいんだ」

「オレはそんな不器用じゃねぇ」


先生のお手伝いでダンボールを運んでいると、先生のファンからの痛い視線と、メイド服を珍しがる視線…。

その両方があたしに突き刺さるんですけど。


「もうやだ、恥ずかしくてお嫁にいけない」

「意外と似合ってるぞぉ」


「え、本当に!?」

「あとはその口を閉じとけば完璧だがなぁ」


一言余計だこのカス鮫先生。でもなんとなく嬉しかった。

いや、別に先生に言われたから嬉しかったんじゃない。断じて違う。


「先生のクラスは何するんですかー?」


「ん゙、オレのクラスはミスコンとかって言ってたなぁ」

「ああ、先生の趣味の塊じゃないですか」

「どう考えても違ぇだろ!?」


「そんなんだから毎回ベルにロリコンって言われるんですよ」

「人の話を聞けぇ!!!!」


ミスコン、かぁ。あたしだったら京子とハルを推薦する。

というか絶対にあの2人以外ありえない。


「学園祭楽しみですねー」

「…………………そぉだなぁ」


その後、先生のクラスにダンボールを持って行ってクラスに帰ったら、遅いとか言われて結局メイドになった。

絶対にいつかあのカス鮫教師に復讐してやる。






「ベルセンパーイ、雨芽のメイド写真一枚千円でどうですかー?」

「うししっ、カエルのくせにいい商売してんじゃん」

「スクアーロ先生もどうですかー?」


「てめぇらサボってねぇで働けぇ!!!」




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11/04/02







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