「名前、任務だ」
召集がかかり、それぞれ椅子に座ったところでボスが命令をだした。前のように雑用だと思ったけれど、今回は暗殺部隊らしい殺しの任務だそうだ。
「初任務を一人で行かせる気なのかぁ?」
気になっていたことをあたしより先に、スクアーロが聞いてくれた。
ちゃっかり初任務って言ってたけど、正確には雑用とかの任務があったから初じゃないんだよね、カス鮫コノヤロー。
一人で行くでも貴重な初任務になるだろうけど、やっぱり不安感だってあるからね。
「そんな訳ねぇだろ、カス鮫。」
「う"お"ぉい!お、俺はただ確認しただけだぁ!勘違いすんなよぉ!名前」
「えっ?べ、別に何にも思ってないから大丈夫なんだけどなぁ…」
「ではボス、誰と行かせるおつもりですか?」
「今回はベルとフランにも行ってもらう、今回は多く構えているみてぇだからな」
「名前はいいとしてー、なんで堕王子も一緒なんですかー」
カカカッ
聞き覚えのある音が聞こえたためにフランのほうをみてみれば、いつもより不機嫌なベルがナイフを投げたらしい。
「文句あんのか?」
「ないですよー冗談ですってばー冗談」
「任務は明日の早朝からだ、場所はこの地図に記されてある。今日は早く寝て明日に備えろ」
「了解ですー」
地図がそれぞれの手に渡り、必要最低限の情報を得たベルは、一足先に談話室をでて行った。
「なんなんですかねー、人に当たらないで欲しいですよねー、名前。って…」
あたしはいつの間にか談話室を出ていて、ベルを追いかけていた。
「ベル!!!」
「……」
「明日の任務、頑張ろうね」
足をとめてくれたけれど、また歩き出して行ってしまった。
聞いてくれたかどうかなんてわからないけど、ベルが不機嫌な理由は、優柔不断ではっきりしなかったあたしのせいでもあると思うから、謝らなきゃいけないってわかってるのに謝れなかった。
任務に支障がでて迷惑かけちゃいけないし、あたしは気持ちを切り替えて、場所確認など任務の準備を取り組むことにした
( 不機嫌 )