「本当の名前は、俺のことどう思ってるわけ?」
「え…」
唐突に問われた質問がよく理解できない。
「どうって言われても、大好きだよ」
「でもそれって、もしボスとかあのカエルとか隊長に聞かれても、同じように答えたよな?」
「う、うん。だ、だってみんな優しいしカッコイイし強いし…」
質問攻めしてきて、あたしに迫り寄ってきたベルが怖くみえる
「そういう好きじゃなくて…、って王子の俺に言わせるとか名前生意気」
「え、だってこれ以外に…」
ベルはあたしの何が気に入らないのかわからないけど、もうあたしは逃げられない状態にまで迫られていた
「だから、名前が酔った時にしてきたことを好んでやりたいって思うか思わないかって言ってるんだけど」
「そ、それって…」
それって、いわゆる、恋人同士っていうこと?
やっと理解できたあたしは、今まで問われた質問を思い出し、考えてみれば顔が真っ赤になる感じがした。
「ししっ、やっとわかったのかよ。鈍感なやつ」
「べ、ベルっ…近いよ…」
「ししっ、そんなことはいいからさ、答えは?」
我が儘王子が悪戯を発動したのか、やっぱり離れてくれないしむしろ迫ってくるばかりだ。
「どっちかってきかれたら……き、だけど…」
「聞こえないんだけど、ししっ」
ベルのことを特別好きになってるとか、これまで感じたことがない…というか、友達以上恋人未満な関係じゃないかな、とあたしは思ってるし周りからみてもそうかと思う
曖昧に伝えちゃ自分は後悔しちゃうだろうし、ベルにも迷惑かけちゃうと思うから…
「じゃ、じゃあ、ベルはどうなの…」
「俺…?聞かなくてもわかるだろうけど」
ベルなんかがあたしを好きになるはずがない、と思ったけれどさっきの笑みとは逆の真剣な表情のベル。こんなベル、見たことない…
「俺は、名前のこと……す」
「ベル先輩ー」
「「…!!!!」」
「何やってるんですかー」
ガチャッと音をだして入ってきたのは口調と声でわかるとおり、フランだった。
「ししっ、てんめぇ」
「召集がかかったんでー、昨日からベル先輩の姿見なくて心配になったからついでに寄ったんですよー」
「ほら、ベル召集かかったから行こ、ね??」
「ししっ、ボスに消されるのはごめんだしね」
ベルは納得してベッドから下りて、フランに自慢のナイフを2、3本投げつけて部屋をでていった。
フランがきてちょっと安心したと思ったあたしがいて、複雑な気分のまま、召集がかかった談話室に向かうため、フランとベルの部屋をでた。
(よかったですねー、危ないところでしたよねー)
((え、何。みてたの??))
( 隣同士がいちばん自然 )