「んー、うっ」










なんでだろう、頭痛がする。
そしてここはどこだろう…
全く何にも記憶に残ってない…












周りを見回してみると男性用の隊服が掛かっていたり、鏡台には香水らしきものがあったり、やたら部屋がきれいでオシャレに整っていることから、あたしの部屋でないことがわかった。







それともう一つ、服装が浴衣ということで昨日あったことが思い出された。


















確か…――。












みんなで花火やって食べたり飲んだりしてたんだったけど…
やっぱりいまいち思い出せない…


















「やっと起きた、ししっ」
「??!ベ、ル…?」








あたしが眠っていたベッドに腰を下ろして話し掛けてきたのはベルだった。…ということはベルの部屋ってことか、なんとなく納得。








「あたし、なんでベルの部屋で寝てたの…??」
「お前、何も覚えてないのかよ。」
「う、うん…。ごめん…」







そう応えれば、不機嫌そうな顔をしてきたため、あたしは思い出そうと記憶を巡ってみるけれど、答えがでてこなかった。












「じゃあさ、名前、俺にキスしてきたこと覚えてないわけ??」
「へ…??!」









脳の回転がとても早くなってる気がしたけれど、ベルとキスした記憶なんてあたしの脳からは探し出されなかった








「ごめん…」
「じゃあ、告白してきたことも?」
「あ…、」
「何だよ」







思い出した、そういえばあたし…

















「あたし、すごい滑舌悪くてまたすぐ寝ちゃったりしてなかった?」
「あぁ、すぐまた寝ちゃってたぜ。それがどうしたんだよ」
「ベル、ごめん!!」
「は、何いきなり。告白してきたやつが告白は取り消そうだなんて無理だから」
「そ、そうじゃなくて。あたし、酔っちゃうと滑舌悪くなったり、いきなり近くの人に告白したりキス迫ったりするみたいで、と、とりあえず酒癖が悪くて…」
「悪いどころか悪すぎじゃね?それ」
「ご、ごめん。ほんとごめん…」















それから、何回も謝ったからベルは許してくれたけれど…








「まず、お酒なんて飲んだ記憶がないんだけどなぁ…」
「ま、まぁそんなことは気にすんなって」






ただ、呟いただけなのにベルの肩はビクッと反応した。
なんか怪しい…










「俺、ずっと気になってるんだけどさ」
「うん」



























「酔いがさめた本当の紫織は、俺のことどう思ってるわけ?」
「え…?」







( 酔い醒まし )







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