◎『カエルを一匹、みつけました』の続き









「雨、なかなかやまないですねー。寧ろ強まる一方ですねー」
「そうですね…」




ほんとにやまない。
テスト勉強したいのに何この状況。おまけにさっきのジメジメ感とは逆に少し寒くなった気がする。

あたしたちはしゃがみこんで空を見上げていた








「制服的に並盛中学ですねー??並盛中学の隣の中学に通ってるフランっていいますー」




一瞬、制服マニアかと疑ってしまったがこの辺の中学の制服はほぼ一緒ということを思い出し安心した




「あたしは名前、あのすごい気になってたんだけどさ、フラン君がかぶってるカエルに意味とかあるの??雨を呼ぶとかさ」
「そんな力はないですよー、これはベル先輩がかぶれって五月蝿いんでーかぶらされてるだけですー」
「そ、そうなんだ...」




初対面だからっていうのもありぎこちない会話中にまたあの怖い音が鳴った気がしてあたしは反射的に耳を手でふさいだ






ゴロゴロゴロッ






「!!!!!」
「雷怖いんですかー??」




フラン君に微妙に笑われたけど怖いものは怖いんだもん!!悪いか!!!
びくびくしていると温もりのあるものが手に重なった




「ちょ、フラン君?!!」
「こうすれば少しは雷の音、遮ることできますからー」




確かに少しは聞こえにくくなったけれど何このスキンシップ。







*****








「雷、おさまりましたねー。」
「ですね、雨も少し弱くなった気が…クシュンッ」






あー何だか寒気が…
雨宿りしてるからって服が乾いてくれるわけじゃないし
って…ん…??
肩に重みと温かさを感じたと思いみてみれば肩に寄り掛かっているフラン君がいた。




「フラン君、な、なんで引っ付いてるんですか??」
「こっちのほうが温かいじゃないですかー」




離れるわけもなくしばらくこの体勢でいることにした。
なんか色んな意味で精神やられそうだ。








*****








「お、やみましたねー」
「ほんとだ!!やっと帰れるー!!」




あの大雨はどこに行ったんだと思うくらい眩しい太陽の光がさしてきた




「今日は色々ありがとうございましたー」
「いえいえ、こちらこそ」
「また会えることを祈ってますよー」




フラン君はそう言い残し歩いて帰って行った










雨ってジトジトしてて、
夏は蒸し暑くなるし
冬なんかは寒さ倍増で
雨なんて嫌いだった、けれど


今日、あのちょっとの時間、
貴方と過ごした時間はどきどきしたり優しかったりと色々だけどいい時を過ごすことができたと思う。



それもあの蛙さんが招いてくれたのかな??



雨のおかげで蛙さんと出会うことができたし雨のこと、好きになっちゃったかも....なんてね…



( 雨上がりの大空には )









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