「フランー!!」




名前の元気な声がミーの部屋に響き渡る。名前はミーの部屋に毎日しつこいほど遊びに来ますー
こういう言い方してますけどー嫌じゃないですよー決して。
むしろ嬉しくて虐めたいくらいですからー




「ていうか何でベッドで寝込んでるの??熱でもあるの??」




名前はそう言うと近づいてきてミーの額に温かい手が触れた



「熱はないみたいだけど…」
「ミー、実は治らない病気に1年前からかかってるんです、黙ってましたけどー」




嘘ですけどね、ちょうど起きたばっかでゴロゴロしてただけですー、今日はエイプリルフールなんでちょっと名前を嘘っぽい嘘で騙してみましたーばれるの承知でー




「え??嘘でしょ…??」
「ミー、そんなに長くないってお医者さんに言われましたー」









「…っうぅ、グズッ」




沈黙の後、ばれるであろう嘘を本気で受け止めてしまった名前は堪えていたのか涙を流しだした


どうしましょうねー、そろそろ嘘だと言ったほうがいいですかねー




「名前ー…」
「嫌だよ、嫌!!フランがいなくなっちゃったらあたし!!」
「実は嘘なんですー」
「え??嘘って何、どういうこと??」
「名前ー、今日は何の日か知ってますかー??」
「4月、1日って…なんかあったっけ?」
「エイプリルフールですよー」「じゃあ、フラン、病気っていうのは嘘であたしを騙したっていうこと…??」
「そのとおりですー」




やっと気づきましたかー。
こうも簡単に騙されてたら名前の将来が心配で仕方ないですー




「…のバカ」
「??」
「フ、フランのバカ!!バカエル!!」




名前はそう言うとミーの部屋から出て行っちゃいましたー


ミーのために心配して泣いてくれたり怒ってくれたりしてくれる名前はやっぱり優しくて可愛いですー




( 騙され少女 )


エイプリルフールですね
紫織は嘘ついてません、
エイプリルフールを忘れ
てました(笑)(゜ё゜)

紫織






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「見えない臓器の名前は」
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