「名前さーん」

「なぁにー?」


任務が無事終了して、自室に戻ろうとしたら、談話室にいたフランに呼ばれた。


「ちょっとここに座って下さーい」

「え、ここ?」


フランに指さされたふかふかの赤いソファ。前にルッスが気に入って、買ってきたやつだ。

フランのことだからきっと何か、仕掛けがあるはず!…そう思って見てるけど何もない。


「じゃあ、」


フランが何を企んでいるのかは、よく分からないけど、どうせ自室に戻っても暇だったからいっか!


「ありがとうございまーす」


ん?お礼を言いながら、フランは自分の頭をあたしの太ももに置いた。

あれだよね、これって膝枕だよね!?なんか、フランの髪がかかってくすぐったいんだけど。


「なにしてんの?」

「ミー昨日から寝てないんでー」

「だからって、これはないでしょ!?」

「名前さんの膝枕落ち着くんですよー」


人の太ももで遠慮なく寝るフラン。やばい、なんか母性本能がやられた。

フランが寝てしまって、特にすることもなかったあたしは、フランの髪を触った。


「さらさらー…」


エメラルドグリーンの綺麗な髪は、すごくさらさらしていて、あたしの痛んだ髪が無性に恥ずかしくなった。


「今度スクにシャンプー借りよう…」


それにしても、フランは本当に綺麗な顔をしている。初めて幹部紹介で会ったときには、一目惚れした。

…今だにその気持ちは、伝えられずにいるけれども。

でも好きな人に膝枕をねだられて、嬉しくない女の子はいないでしょ?


「…好き」


自分から出た言葉に驚いて、あたしは慌てて自分の口を塞いだ。

無意識のうちにフランに告白しちゃった!!どうしよう!?

そんなフランは聞こえなかったのか、まだ熟睡している。

告白を聞かれなくて嬉しいような、悲しいような…。


「あたしも眠くなってきた…」


フランに膝枕したまま、あたしもいつのまにか座ったまま寝てしまった。















「びっくりしましたねー」


名前さんが寝たことを確認して、ミーは体を起こした。

不意打ちに告白されて、起きるタイミング見逃したじゃないですかー。

でも、名前さんがミーを好きって…。

名前さんを幹部紹介で初めて見たとき、日本人独特の黒い大きな瞳と、毛先まで綺麗な黒髪から目が離せなかった。

つまり、両思いってことでしょうかー…。ミーだって好きな人じゃなかったら、膝枕なんて頼みませんよ。

すやすやと寝ている名前さんが愛おしくて、ミーはバレないようにキスをした。

名前さんの唇は、すごく柔らかくて、…これはやみつきになりそうですー。


「ミーも好きですよー」


眠っている名前さんを抱きしめて、一緒にソファに倒れ込んで眠ることにした。

名前さんは起きたら、なんて言うんでしょねー。楽しみですー。


眠り姫に小さな告白と

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蛙には毎回母性本能をやられております(゜∀゜)

by 真 白




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