「ししっ、名前ホント弱くね?」
「少しは上達したらどうですかー?」
「名前は馬鹿だからなぁ」
「馬鹿なのは否定出来ないし、ほんと記憶力が全然ないんだもん…」


任務が休みのベル、フラン、スクアーロ、あたしは談話室に集まりフランの提案で神経衰弱をしていた。あたし以外の3人は、なぜか記憶力が良くてあっという間にペアを揃えていった。


「とれて二組とかどんだけですかー」
「う、うるさいっ」


あたしは本当に記憶力が弱い。例えるなら、テストの暗記系はほとんど0点に等しいほどになるくらいだ。

「名前のバーカバーカバーカバーカ」

ベルがあのにやにやした笑顔で、何回もあたしを馬鹿にしてくる。仕方がないことだけど、あの笑顔がむかつく。

「別にバカ言われるのはなれてるから」
「ししっ、んじゃあアホ紫織ー」

カチン。

んーなんだろう。今までバカと言われても否定はしなかったけど…アホ?今、アホって言ったよね。

「あたし、バカって言われるのは構わないけどアホって言われるのは昔から嫌いなんだよね。なんかイライラする。もう1回やるよっ!」

こうなったら、なにがなんでも勝ってやる。そしてベルをぎゃふんと言わせてやるんだからね!

「あーぁ、誰かさんのせいで名前の負けず嫌いがでてきちゃったじゃないですかー、まぁいいですけどー」
「ししっ、何回やっても同じだと思うんだけど」
「バカもアホも変わんねぇと思うがなぁ」

ボソッと呟いたスクアーロは無視。そんなことにいちいちかまってられない。あたしの実力見せてやろうじゃない。
みんな一歩も譲らないまま、勝負は中盤までさしかかっていた。


( うぅー… )


やばい、お腹痛くなってきた。せっかくここまできたのに、腹痛のせいで負けたくない。


「名前?名前の番だせ?」
「名前ー?顔色悪いですよー?」

何気に心配してくれるフランとベル。普段からそうだったらいいのに…。って、今はそんなこと考えている場合じゃない。

「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」


談話室からトイレまで少し距離があるから、すごい追い込まれた状況にあるあたしのお腹を、のの字になでながら小走りでトイレに向かった。

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初フランでございます
フランになります←

続きあります

紫織




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