◆一ノ瀬


朝起きて、朝御飯食べて、散歩して、ご近所さんと雑談して、少し遠出してリフレッシュして、昼御飯もしっかり食べて、皆にお土産も買って、帰宅。
非の打ち所もない立派な休日の過ごし方だろう。

「ん〜…今日も平和でいい1日だったねぇ〜…」


でも


「…おいちゃんにはちょっと物足りないかなぁ♪」

どれだけ平和に人間らしく過ごせたとしても、自分は決して人と相容れる存在ではないのだとこのときほど自覚することはない。

血を見たい
痛みに歪む表情が見たい
絶望し光を失う瞳が見たい
殺したい

綺麗なものを見れば見るほど汚いドロドロとした欲求が沸き起こる。
このバランスはきっといつか釣り合いがとれなくなって、自分を蝕んでいくのだろう。

そうなるまでは、仕事を通して誰かを殺しても誰にも文句は言われまい。
今日の夜はいつもより多めに仕事を引き受けようか。とにかく血を浴びたい、肉を引き裂いてやりたい。



大丈夫、いつか本当に大切なものにまで手にかけそうになったとき、このナイフを己の心臓に突き立てる準備は出来ているのだから。
11/03 15:33

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