short | ナノ
痴話喧嘩は犬も食わぬ




「その癖、治す気ねェのかよい」
「ないね。そっちもないんでしょ?」
「ないよい。じゃあ、」
「今回も、決裂ですね」


飯を食っているエースと話ていたら、不吉な会話が聞こえてきた。注意をしに行こうとした矢先に覇気全会で喧嘩を始める二人に頭が痛くなる。頭だからね?リーゼントが痛くなるわけじゃねえよ?奴らの覇気にやられて、食堂で飯を食っていたほとんどの奴らが気絶した。そこかしこから皿が割れる音がする。ああああああの皿片づけるの俺たち4番隊だろおおおお!


「お前らああああ!!」
「「うるせェサッチ!!!」」
「ハモッてんじゃねぇよ!場所考えてしやがれ!!!」


思い切り拳を握って頭をぶち殴ろうとしたら、二人ともに避けられてまた腹が立つ。こいつらが弱かったら全然どこで喧嘩をおっぱじめようが構わねんだ。でもこいつらは二人ともが隊長格で、しかも能力者だから殴りあおうとしたら当然覇気を纏うわけで、まわりに被害がでる。オヤジに何度か止めてもらおうとしたけど、やらしとけっつって取り合ってくれなかった。

仕方ない。腰に下げていた剣を今まさにお互いを殴ろうとしている奴らの間に挟む。ピタリと刃が当たる寸前で止まったすきに二人の頭に拳を落として正座させる。


「痛い!痛いよサッチひどい!」
「ひどいのはどっちだ!見ろまわりの惨状を!お前らのせいだぞ!!」
「………場所変えるよい、名前」
「そういう問題じゃねぇよマルコ!今度は何が原因だ!」


腰に両手を当てて怒っていたらイゾウが入ってきた。この状況を一瞬で把握したらしく、ニヤニヤしながらこっちに来た。


「またやらかしたのか、お前ら」
「私は悪くない!マルコが!」
「俺はこいつの悪い癖を直せっつっただけだよい!」
「クセ?」
「半裸の男見たら誰かれ構わず飛びつきやがって!」
「誰かれ構わずってわけじゃないし!いい筋肉の男だけだし!しかも飛びつくんじゃなくて飛び掛かるのよバカマルコ!」
「どっちでもいいよい!」
「マルコこそ、あっちこっちに噛み跡付けないでくれる!?」
「お前がそこら辺の男に飛び付くからだろい!お前がその癖治したら俺も治してやるよい!!」


喧嘩の内容を聞いて、痛かった頭が更に痛くなった。隣にいたイゾウはニヤニヤしっぱなしだし。こんなくだらない理由で気絶させられた奴らかわいそうに。エースが後ろで、なんだ、痴話喧嘩か!なんか言うもんだから、今度は二人の怒りがエースに向いた。なんでそこでエースにキレんだ。


「はぁ」
「なんで俺がキレられんだよ意味わかんねェ!!!」



痴話喧嘩は犬も食わぬ
(名前が悪いよい)
(んだコラもっかいやるか?)




back next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -